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「貴様達も悲しみの底へ墜ちろ」 【名前】 デスフィアス 【読み方】 ですふぃあす 【声】 乃村健次 【登場作品】 星獣戦隊ギンガマン 【登場話】 第三十三章「憧れのサヤ」 【所属】 宇宙海賊バルバン/イリエス魔人族 【分類】 イリエス魔人 【怪物モチーフ】 スフィンクス 【他のモチーフ】 ピラミッド 【名前の由来】 死(英:death)+恐怖(英:fear) 【詳細】 イリエス魔人族の1人。妖帝イリエスの弟。 「魔獣ダイタニクス」を復活させるのに、3333人の人間を「嘆きの仮面」で悲しませようと目論む。 人々に仮面を付けている最中に駆け付けたサヤ以外の4人にも仮面を付け、更にヒュウガも成り行きで仮面の餌食にするが、サヤの花びらの爪に怯んだ隙に撤退されてしまう。 3332人を悲しみの底に陥れるが、最後の1人に仮面を付けようとしたところをピンクに阻止される。 更にトキワの森にある木の実で一時的に悲しみを癒した他の5人の参戦によって形勢が逆転し、差し向けた賊兵ヤートットを一掃され、ピンクの怒りの反撃に怯み、黒騎士の「黒の一撃」、獣装光ギンガマンの「銀河の戦光」の連続攻撃により敗北(落とした杖が壊れた事で仮面の魔力も消え去る。)。 その直後、バルバエキスを飲んで巨大化する。 超装光ギンガイオーと交戦、剣を武器に圧倒的な力で超装光ギンガイオーを追い詰めるが、並外れた俊敏さを誇るギガフェニックスのスピード戦法に翻弄され、最期は「銀河大獣王斬り」を受け倒された。 弟を倒されたイリエスは動揺し、樽学者ブクラテスは悲しむイリエスを慰めていた。 その頃、「破王バットバス」、「闇商人ビズネラ」からダイタニクスが腐り始めている事を知らされた「ゼイハブ船長」、「操舵士シェリンダ」はある事を思い付く。 【嘆きの仮面】 デスフィアスが使用する不思議な仮面。 「悲しみの顔」のような杖の飾りからの光線を人間の顔に浴びせる事で仮面に実体化。 仮面を付けられた者は深い悲しみのどん底に落ちるが、トキワの森にある木の実を食べる事で一時的に悲しみを癒せる。 【余談】 名前が3文字の同じ言葉の羅列で統一されていないイリエス魔人。 イリエスの切り札的存在だが、シェリンダから「身内を贔屓するのもいい加減にしろ」と叱罵される。 バルバエキスを飲む際は「このままでは姉上に申し訳が」と発言している。 声を演じる乃村健次氏はスーパー戦隊シリーズでの出演は初となり、次作の『救急戦隊ゴーゴーファイブ』で敵幹部役としてレギュラー出演。
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シナリオ攻略 第17話a 『決別-ともだち-』 勝利条件 初期 敵の全滅 フェストゥム増援後 マークフィアー(甲洋)が指定ポイントに到達 敗北条件 初期 味方戦艦の撃沈 オルフェス(アーニー)、ライラス(サヤ)の撃墜 マークエルフ(一騎)、マークフィアー(甲洋)の撃墜 フェストゥム増援後 味方戦艦の撃沈 オルフェス(アーニー)、ライラス(サヤ)の撃墜 マークエルフ(一騎)、マークフィアー(甲洋)の撃墜 5ターン経過 ステージデータ 初期 初期味方 プトレマイオス2改(スメラギ) マークフィアー(甲洋) オルフェス(アーニー)&選択 ライラス(サヤ)&選択 マークエルフ(一騎)&選択 選択 初期敵 アルヘノテルス型(フェストゥム)×4 グレンデル型(フェストゥム) グレンデル型×16 3PP or 5ユニット撃墜 第三軍増援 マップ右上 ライオットA(ジン) ライオットC(兵士)×3 更に5ユニット撃墜 敵増援 マップ左側 アルヘノテルス型(フェストゥム)×4 グレンデル型(フェストゥム) グレンデル型×16 フェストゥムが4ユニット以下になるたび (無限増援) 敵増援 マップ左側 グレンデル型(フェストゥム) グレンデル型×8 ユニットデータ 敵 機体名 パイロット Lv補正 HP 射程(P) 資金 撃破アイテム 備考 初期 アルヘノテルス型 フェストゥム 1 10700 7(3) 2300 HP回復L1EN回復L1同化L1 グレンデル型 フェストゥム 0 4100 3(3) 1300 HP回復L1EN回復L1同化L1 増援1 アルヘノテルス型 フェストゥム 1 10700 7(3) 2300 HP回復L1EN回復L1同化L1 グレンデル型 フェストゥム 0 4100 3(3) 1300 HP回復L1EN回復L1同化L1 増援2 グレンデル型 フェストゥム 0 4100 3(3) 1300 HP回復L1EN回復L1同化L1 第三軍 機体名 パイロット Lv補正 HP 射程(P) 資金 撃破アイテム 備考 増援 ライオットA ジン 2 13000 8(4) 15000 EN回復L1 ライオットC 兵士 1 9400 8(3) 1800 EN回復L1 イベント・敵撤退情報等 3PP or 5ユニット撃墜 第三軍増援 ライオットCを1機撃墜でジンの気力+10、2機撃墜で「必中」、3機撃墜で「熱血」がかかる。 ライオットAを撃墜するとイベント発生 オルフェス(アーニー)が海(右中央)に移動 更にフェストゥムを5ユニット撃墜 敵増援 勝利条件が「マークフィアーが指定ポイントに到達」に変更。(ポイントはマップ右上(かなり上方)、海岸線付近) 敗北条件に「5ターン経過」が追加 敵PU4体以下 マップ左側にグレンデル型2体のPUが4体ずつ増援。無限増援 攻略アドバイス 原作は蒼穹のファフナー、原作通り甲洋が離脱し三人組が加入する ライオットA(ジン)を撃墜してもライオットCは撤退しない。Lvがアルヘノテルス型と同等で安価なので経験値稼ぎ向き 反撃でグレンデル型のPUを一撃確殺できれば増援おかわりで撃墜数を稼げる。順応持ちのエイサップ、一騎、チャムのいずれかを反撃用PUに組み込んでおくと楽。一騎の撃墜数100を狙うなら稼ぎ・全滅プレイポイントも読むと良い効率を高めるため、個別攻撃してくるようにHPを調整しておきたい 1週目で稼ぎを行う場合、ジン達が甲洋の進路とぶつかる事に注意。戦艦と甲洋だけでは厳しいので他のユニットも向かわせておいた方が良い。なおジンを倒すとアーニーはかなり右に移動するので彼で稼ぐのは難しい 戦闘前会話 ジン:甲洋、一騎、ショウ、アーニー、サヤ、エイサップ、シン、ヒーローマン、曹操、九郎 クリアボーナス 資金+18000 援護防御 SPアップ ヒット&アウェイ Bセーブ 隣接シナリオ 第16話a『アライブ』 第18話『流れるは血、失うは涙』 .
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↑桜月桂樹さまに頂きました!( _ )EDぽいっ ↑はやみ蒼輝さまに頂ました!( _ )やしあお人気ですっ ACTOさまに頂きました!( _ )風紀コンビ~ かがちさまに頂きました!( _ )かわゆい~ PRAXIS / キリ番絵、サヤさんからのリクエスト PRAXIS / パステル塗り 他、自分がBackupしてなかったために消えてしまったねこまんまさんとかのお絵かき板の作品、本当すいませんでした…(´_`。)m(__)m
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喉の痛みに耐えながら、桂言葉は道を急いだ。今の彼女は丸腰だ。この状態 で男性の参加者に襲われでもすれば、武器も持たぬただの女性である彼女にと って、かなり不利な状況が生まれることは間違いない。それを自覚している桂 は、周囲にできる限り気を配りながら動く。遠目からでもすぐわかるような開 けたところは避けたかったので、わざと森の中を歩いた。相馬の死体のある場 所はあまり細かく覚えていなかったが、少なくとも道端ではなかったはずだ。 地図も何もなかったが、太陽の位置でおおよその方角はわかるので、もともと いた場所に戻るのにはさほど支障がなかった。 (暗くなる前にたどり着かないといけませんね……明かりもないから、夜にな ったら下手に動けなくなる……) 冬の陽が落ちるのは早い。もう随分と位置を低くした太陽は、しばらくすれ ば滴るような赤に空を染めることだろう。そうなってしまえば、森の中を動く のは容易なことではなくなる。この田舎なら星や月の明かりは期待できそうだ が、それでも昼間と同じ条件とは言えない。デイパックを持たない桂は、当然 支給品のランタンも持っていなかった。自分の足許、手許を照らすほどの明か りもない状態で迎える夜は、どうにも歓迎できはしない。彼女は幾分、焦りを 感じる。 (……誠くんは、どこにいるんでしょう) 昼の放送では、伊藤誠の名前は呼ばれなかった。とはいえ、その身の安全が 完全に保証されているわけでもない。彼女は早く伊藤と合流したいと考えてい た。学校対抗などというが、要するに、他が全て死んでしまえば終わりだ。桂 にとっては、それで済む話だった。他の同級生になど特に興味もなかったし、 その生死など知ったことではない。伊藤誠の希望がわからない以上、彼に会う までは大人しくしていようと思っている彼女だが、正直なところ、彼以外の同 級生に気を払う必要は微塵も感じていなかった。桂にとって、同じ学校の人間 は守るべき仲間ではない。わざわざ消すほど邪魔な人間ではないが、どこで何 をしていようとどうでもいい程度の人間だ。それは、他の参加者たち――宮崎 都を除いて――とは明らかに大きくかけ離れた感覚だった。 実際には、桂の知らぬところで伊藤誠の命はすでに尽きているのだから、現 実は非情なものだ。彼は2人の女に囲まれて、神社の境内で眠っている。彼を 求めてやまない彼女を置いて、他の女と逝ってしまった。もう数時間もすれば、 桂は伊藤の命が散ったという、重い事実を知ることになるだろう……が、今は まだ、桂に真実を告げるものはいない。 葉の落ちた木々の枝をかきわけ、桂は森の中を進む。一時間、いや二時間は 歩いただろうか、喉の痛みも随分と薄れたころ、木々の間に、地面に奇妙な格 好で盛り上がっている毛布を彼女は見つけた。それは何の変哲もないごく普通 の毛布だったが、森の中では、その幾分人工的な色がよい目印になる。 (……誰も、触っていないようですね……好都合です) ガサガサと枝をかきわけながら、彼女はそれに近づく。毛布の傍らにしゃが み込むと、あたりを見回した。今のところ人の気配はないが、この位置からだ と、近くを通る道が見える。そういえば、この道を行く途中で相馬に声をかけ られたのだった。これでは誰かが通って自分の姿を見ないとも限らない。こち らから狙えるのも確かだが、同時に向こうからも狙いやすい。あまり長居に適 した位置ではない、と判断した桂は、すぐに毛布をめくりあげる。 彼女が命を奪った女は、生前の美しさを欠片も思わせぬ醜い表情のまま生首 になっていた。ご丁寧に、繋がっていたはずの頸部の付近に仰向けで転がされ ていた生首は、しかし相馬の身体が俯せに倒れていたので、どうにも気味の悪 い光景をつくり出している。これをやった川添は、おそらく生首とはいえ、人 の顔を地面に向けておくというのに抵抗があったのだろうが、結果はなかなか に悲惨であった。その横には、相馬の首に巻き付いていた首輪も転がっている。 桂はそれを持ち上げて、何とはなしに眺めてみた。もちろん、彼女の首にも同 じものが嵌っている。 (そういえば、これは爆発するんでしたね……) 教室で見た、首輪の爆発。これで男子生徒がひとり死んでいた。何かリモコ ンのようなもので操作していたけれど、恐らく中には爆薬が入っているのだろ う。ならばひょっとして、何かに使えるかもしれない。桂はそう考え、その首 輪と、横に落ちていた、革の鞘つきの鉈らしきもの――どうやら相馬の支給武 器だったようだ――を相馬のデイパックに放り込む。相馬の荷物は、そっくり そのまま持っていくつもりだったからだ。そのまま、バッグに突っ込んだ手で 中を探っていると、相馬の支給品の銃が見つかった。桂はそれを手にとり、す ぐさまセーフティーレバーを押し上げると、制服のスカートのポケットにしま う。それなりにサイズの大きい銃なので、外から見えないようにと、気を使い ながら。 そのとき、桂の耳に、何やら排気音のようなものが聞こえた。彼女は急いで 顔をあげ、前方に見える細い道を確認する。音は彼女から見て右手から聞こえ てきていたので、桂は目をこらしてそちらを見つめた。 (スクーター、でしょうか……? そんな移動手段があったとは、気づきませ んでした……) まだ幾分距離はあるが、2台のスクーターがこちらに向かって走ってくる。 男がひとり、女がひとり。どちらも金色の髪をしている。制服の感じからする と、互いに同じ学校の生徒のようには思えない。ということは、戦う気のない 2人、ということだろうか、桂は考える。けれども、戦う気のないふりをして 誰かに同行しながら、相手を利用しようと考える……あたかも彼女のような人 間もいないわけではない。自分自身がそうした人間であるぶん、桂言葉は疑い 深くなりがちだ。 どちらにせよ、2人とも自分の学校の制服ではないし、当然ながら彼女の探 す伊藤誠でもない。それならばわざわざ接触する意味はなさそうだった。あち らには男もいる。相手が何の武器も持っていないのなら、襲われてもこの銃で 片付けられるかもしれないが、何か武器を持っているとなれば面倒だ。同じ条 件となれば、2対1の上に相手に男がいる、というのは彼女にとって圧倒的に 不利な戦いになる。最悪の場合まで考えた結果、彼女は身を隠してこの場をや り過ごすことを選んだ。 ……しかしながら、隠れられる具合のいい場所、というのもあまりない。仕 方なく桂は、相馬の死体の上にかぶせられた毛布の下に隠れた。屍との同衾は 彼女にとってもあまり気持ちのよいものではなかったが、この際我慢するしか ない。 そうこうしているうちに、スクーターの排気音はだんだんと桂のほうへと近 づいてきた。このまま音が通り過ぎて、遠くなっていけばそれが一番望ましか ったのだが、悪いことにそれは、彼女にかなり近い位置まできたところで停ま る。何やら2人の話す声が聞こえてきて、しばらくすると枝葉を踏みしだく足 音も近づいてきた。 (……最悪、ですね) 桂は溜息を吐きながら、ポケットの上から銃に触れる。毛布をめくられたら、 状況によっては撃たざるを得ないかもしれない。積極的に戦いを選ぶことはし ないと決めたが、こんなところで命を落とすわけにもいかないのだ。毛布越し で少しばかりくぐもった、暢気な声が桂の耳に響く。 『春道くーん、この毛布、中になんかある気がしますよ!』 これなら、そう危なくはないかもしれない……女の声音に桂はそう考えて、 少しだけ唇の端をつり上げたのだった。 坊屋春道と千葉紀梨乃の2人は、比較的のんびりとした様子で、スクーター を並べて走っている。彼らはどちらも、命に関わるような事態であるとか…… 目の前に転がる死体であるとか……を、いまだ目にすることなく進んできた。 そういった意味では、どちらもまだ、このプログラムの非情さを生々しく体感 してはいない。 とはいえ、坊屋は大切な友人である桐島ヒロミを失った。たくさんの思い出 を共有する、大切な仲間であった彼を失ったことは、坊屋の心に深い傷を残し ている。だが彼はそれでも、友人の死を受けとめるだけの強さを持っている男 だった。泣くことも喚くことも、人にあたるような真似もせず、激しく、そし て静かな怒りをひとりで噛みしめる強さ。己の動揺を千葉に見せぬよう、彼女 の前を辞する優しさ。どちらも、坊屋春道の拳に宿るものを思わせる。 それに対して千葉は幸運にも、放送の時点で、まだどの友人も健在とわかっ ていた。本当に誰かが命を落としたという事実、それもこんな短時間で10人 もの人間が亡くなるという事実には、とても強い衝撃を受けはしたし、自分の 横にいる坊屋の友人が逝ったことも、千葉の胸に影を落としはしたが……それ でも、少なくとも……桑原も、川添も、宮崎も、栄花も、どこかで生きている。 その事実が、千葉の精神を強く保たせていた。 だからこそ彼女は、友人を失った坊屋に対しても、彼女のやり方で十分に気 遣いを見せることができたのだ。千葉紀梨乃は、傷ついた坊屋を顧みずに甘え るような、無神経な女ではない。彼女は、動揺の中にあってなお、目の前の坊 屋を気遣ってみせた。彼女が笑顔を向けることで、坊屋の荒れた心が癒された のは間違いない。千葉は、人の胸の内をあたためる、優しい笑顔を持つ女だ。 彼女の明るさは、坊屋にとっても救いである。 2人は互いに、互いを思いやりながらここまで来た。この島で初めて会った 相手だというのに、彼らは不思議なほどうまく互いを支えあえている。悲惨な 戦いがいくつも巻き起こるこの島で、それは奇跡のような出会いだった……そ して、この2人が初めて目にする生々しい現実もまた、互いへの思いやりに端 を発する。 「は、は、はっくしゅん!」 道中、千葉がひとつクシャミをして、その拍子にブレーキをかけた。坊屋は それを見て、自分もスクーターを停めると、彼女の身体をいたわる言葉をかけ る。 「キリノちゃん、寒いのか?」 「だ、大丈夫です! ちょっと鼻がむずむずしちゃって」 「いや、風邪ひいたらマズいだろ、これ着てろよ」 「えっ?! ダメですよ、春道くんが風邪ひいちゃいますから!」 「いーからいーから!」 坊屋は自分の着ていたスカジャンを彼女に着せかける。女の子にこういうこ とするの夢だったんだよなあ、などと思いつつ。千葉としては、確かにちょっ と肌寒かったものの、ここまでさせるのは申し訳ない、と固辞しようとしたの だが、坊屋はそれを許してくれない。仕方なく、彼の優しさに甘えることにし たのだが、上がロングスリーブのシャツ一枚になった坊屋が寒そうで、どうも 気にかかる。 「あの、ほんとに寒くないですか? そのシャツ一枚じゃ……」 「ダイジョーブ! キリノちゃんはそーいうこと気にすんな!」 「……春道くん」 「さ、そろそろ行こうぜ。日が暮れねえうちに神社まで行ったほうがいいだろ?」 「……はい、あの、ありがとうございます!」 「いやー、どーいたしまして! はっはっはっ……」 そんなほのぼのした会話を繰り広げながら、彼らは道を行く。しばらく、た わいもない会話を続けながら走っていると、千葉が少し先の森の中に、何かが 落ちているのを見つけた。 「あ、あれってひょっとして……毛布じゃないですか?」 「ん? ああ、それっぽいな……なんであんなとこに」 「……あれ、誰のでもないですよね、多分」 「うん、まあ、要るものだったらあんなとこ置いとかねえだろうしな……もら ってこようか? 夜になったらもっと寒ぃだろうし」 「そうしたほうがいいかなって、私も今思ってました」 「よし、決まりだな」 そう言って、坊屋はスクーターから降りる。千葉もすでに降りていて、彼よ り先に毛布のもとに駆けていった。それを追って、坊屋が大股で森の中に入っ ていく。 「春道くーん、この毛布、中に何かある気がしますよ!」 まだ少し後方にいる坊屋に、千葉の声がかかる。それを聞いて、坊屋は何と なく……これはもはや、何となく、としか言いようのない、嫌な予感がした。 こんな場所で、毛布が森の中に落ちていて、中に何かある。それは多分、あま り見ない方がいいものが、中に入っているのではなかろうか……そういう、予 感だ。 「キリノちゃん、それ……」 坊屋が言いかけたとき、千葉はすでに毛布の端に手をかけていた。角の部分 を持って、ぺらり、と軽くめくったその瞬間、ごろり、と転がったもの。 「ひっ……!」 「キリノちゃん!」 ……それは、相馬光子の生首であった。 坊屋の勘は正しい。この毛布の中には、見るべきでないものが二つも入って いる。相馬光子の死体と、銃を携えた桂言葉だ。千葉は、布がめくれた勢いで 転がり出た生首に腰が抜け、すぐに持っていた毛布から手を離したので、桂の 姿は見ないで済んでいた。 坊屋は、ぺしゃりと座りこんだ千葉に駆け寄る。生首を目にした千葉の顔は 蒼白だった。坊屋自身も、転がる首と目があってしまって一瞬吐き気を催した が、何とか耐えると、千葉の目を手で覆い、力の入らないその身体を引き寄せ た。 「キリノちゃん、しっかりしろ……もう、見ちゃダメだ」 言いながら、坊屋はもう一度毛布と生首を見やる。この膨らみの具合からし て、首だけでなく胴体も入っていそうだ。これ以上触らない方がいいだろう、 そう判断して、千葉をつれてスクーターを置いた場所に戻ろうとした、そのと きだった。 ……毛布の膨らみが、ほんのわずかに動いた。 坊屋は初め見間違いかと思ったのだが、用心してしばらくそのあたりに視線 を固定してみた。やはりわずかに動いているように見受けられる。呼吸の動き、 とでも言えばいいだろうか、人間が生きているが故の、隠しようのない動きだ。 坊屋は千葉を背中にかばうと、渡されていた銃を手にとって構える。その行動 は言うなれば、喧嘩という形で……他人と戦うことを繰り返してきた坊屋の本 能的な警戒だった。 中に誰かいる、ということはつまり、ここで背中を見せて去ったら、後ろか ら狙われる可能性がある、ということだ。坊屋は頭でそこまで考えはしなかっ たが、本能的に状況を理解していた。 「……おい、中に誰かいるだろ、出てきやがれ」 低い声でそう告げた坊屋の背中で、千葉がびくりと震える。坊屋としては、 生首に衝撃を受けている千葉をこれ以上、怖がらせたくはなかったのだが…… こればかりは、如何ともしがたかった。 坊屋が毛布に照準をあわせたまま、微動だにせずいると……やがて、その毛 布が、べろり、と皮をむくように地面からはがれる。あらわになる相馬の首か らの下の胴体、そして現れる――ひとりの、女。 「それをこっちに向けないでもらえませんか。何も……しませんから」 千葉が毛布をめくった瞬間、桂は息をひそめてじっとしていた。毛布の中か らではあまり状況がつかめなかったし、自分のいる側とは逆の端をめくられた ことは何となくわかったので、大人しくしている方がよさそうだ、とふんだの だ。口調からして、どうみても攻撃的な相手ではなさそうだし、下手に動くよ り、黙ってやり過ごそう、そう彼女は考えた。 そして聞こえた女の悲鳴と、それをかばう男の声。これなら、2人ともすぐ にこの場を去ってくれるだろう、そう桂は期待する。生首ひとつに動揺するよ うな女を連れているのだ。これ以上、中を確かめようとは思うまい。そう考え た桂は、できる限り呼吸を小さくし、息を止めていた。 しかし、生きた人間であるが故に、それにも限界があった。呼吸にあわせて ほんのわずかに上下する身体を、おさえることはできない。それを、坊屋はめ ざとく見つけたのだった。 「……おい、中に誰かいるだろ、出てきやがれ」 わずかに響く金属音と、今までとはうって変わった男の低い声に、桂はぴり り、と緊張する。これはこのままやり過ごすことはできなさそうだ。彼女は毛 布の下で小さな溜息をまた吐いて、それから少し考えたあと、バッと毛布をめ くってみせた。 「それをこっちに向けないでもらえませんか。何も……しませんから」 そう言って桂は立ちあがる。銃は手にせず、ポケットに入れたままだった。 いきなり撃つことはないだろう、そのつもりなら毛布の上から撃てばいいのだ から。ただ単に相手は、自分の存在を確認したいだけだ……そう読んで、桂は わざと堂々とした態度をとったのだ。 「……ワリぃ、女の子とは思わなかった!」 桂に銃を向けていた男の声は、先ほどまでの低いものから、すぐに調子を変 える。銃口も下がった。どうやら相手はフェミニストらしい、と桂は思う。こ れは与し易そうだ。銃も持っていることだし、この際、一緒に行動して利用す る、というのもありかもしれない。そう考えた彼女は、言葉を選んだ。 「驚かせてしまったようで、申し訳ないです……あなたがたが向こうから来る のが見えて、咄嗟に隠れたものですから」 「や、こっちこそゴメンな、こんなもん向けて」 「こんな、場所ですから……何があるか、わからないと思いまして……でも、 よかったです……ここにいらしたのが、あなたのような、優しそうな人で。 怖い人だったら、もう撃たれていたかもしれませんし……」 「いやぁ、だっはっは……優しそうなんて女の子に言われたの初めてだなぁ!」 男は鼻の下をのばしてそんな台詞を吐いている。これならとりいるのは簡単 そうだ。桂はそう考えて、言いつのる。 「あの、ぶしつけなお願いで、とても申し訳ないのですけれど……もし、よけ れば……私も、ご一緒、できませんか……? ひとりでは、怖いので……」 ゆっくりと、本当に怯えているかのような口調で、桂はそう口にした。男の 顔は、先ほどの警戒を解いたのか、幾分緩んでいるように思える。これなら、 うまくすれば……そう思った矢先、座りこんで男の後ろに隠れたままの女が、 口を開いた。 「は、春道くん……私、この人、怖いです……」 面倒なことになった、と桂は思う。男の背中で怯えていたかと思えば、何を 言い出すのだこの女は。心の内で悪態をつきながらも、桂は表情を崩さない。 「……どうした、キリノちゃん」 「だって、この人……その、首……っ、のひと、がいる、とこに、いたんです よ……っ、普通の、顔で……!」 ……まったく、首のひとつやふたつ転げていたところで何だというのだ。い くら自分だって、こんなものと同じ布の下に進んで隠れたわけではない。仕方 がなかったのだ。桂は少し苛つきながら、女に言葉を投げる。 「私だって、したくてしたことではありません。さっきも言った通り、貴方た ちがこっちに来るのが見えましたので、咄嗟に隠れただけです……、私は丸 腰でしたので、何かされても困りますから」 「私だって、したくてしたことではありません。さっきも言った通り、貴方た ちがこっちに来るのが見えましたので、咄嗟に隠れただけです……、私は丸 腰でしたので、何かされても困りますから」 ……それはまあ、真っ当な言い分だ。そう坊屋は思った。真っ当なのだが、 どうも気に食わない部分がある。坊屋の目に映るのは、長い黒髪と美しい顔、 そして豊かな胸――どうしてもこれには目がいってしまった――を持った少女 の、腰のラインだ。 坊屋は男として非常に正直であったので、女が毛布の下から姿を現したとき、 その容姿の美しさに一瞬、目を奪われた。そして、美しい女性に対する礼儀と でも言わんばかりに、その肢体をきっちり眺めた。上から下まで、その衣服の 下の裸を想像していたとまでは言わないが、身体のラインをその目でしっかり 追ってはみた。男のさが、というやつだ。誰も彼を責めることはできない。 そして坊屋は、その男の哀しい性質故に、気づいたのだ。女の魅力的なくび れと、そこから熟れた曲線を描く、腰の右側。スカートのポケットがどうも、 無粋に膨らんでいた。はっきり言って、まともなものが入っているとは思えな い膨らみだ。目をこらしてみれば、何か金属的なものが、ポケットからわずか にはみ出している。 確実ではない。確実ではないが……あれは、拳銃ではなかろうか。坊屋はそ う考えた。実際に自分も持っているから、形から想像がついてしまったのだ。 女が拳銃を持っていたところで、それ自体は問題ない。自分も持っているし、 支給されたなら身を守るために持つ可能性はあるだろう。だが、それを持って いるのに、『丸腰』だなどというのはあまり好ましくない。それに、千葉が言 うとおり……屍と平然と同衾できる女というのは、いくら美人でもごめんこう むりたい、と坊屋も思う。 千葉は、毛布の下から現れた女を、本当に恐れていた。あんな怖いもの…… 怖くて、悲しいものと一緒に、毛布の下にいられて、しかも全く平気な顔をし ているなんて。どう考えても普通の神経じゃない、千葉はそう感じた。自分だ ったら、いくら誰かが来て、隠れなければと思ったとしても、絶対にこの毛布 の下は選ばない。もし、中に何があるのか知らないで隠れようとしたのなら、 毛布をめくった瞬間に隠れるどころの騒ぎではなくなる。なのに、そんなこと を普通にやってしまえる女が、千葉は本当に信じられなかったし、恐ろしくて たまらなかった。だから、震えながら坊屋に訴えたのだ。この女には近づくべ きではない、危険だ……と。千葉の心は、そう叫んでいた。 千葉紀梨乃は、容易に人を拒むような性格の持ち主ではない。彼女にとって、 これはほとんど……人生で初めての、本格的な他者の拒絶、と言っていいかも しれなかった。そんな千葉の心を知ってか知らずか……坊屋春道は口を開く。 「心配すんな、女の子に手ぇ上げたりしねえよ」 坊屋は、桂の言葉に応えてそう告げ、それから続けて、こう言った。 「でも……な」 その微妙な響きに、毛布の下から現れた女は訝しむように答える。 「……何ですか?」 「嘘はあんま、好きじゃねえな……ポケットから、見えてる」 坊屋のその答えに、女は一瞬顔色を変えた。まるで仮面でもかぶったように、 ほんの一瞬、表情がそぎ落とされたのだ。それは、とても奇妙な顔で、坊屋は 少しばかり、胆の冷える思いがした。 対する女……桂のほうは、自分の手痛いミスに胸の内で舌打ちしていた。銃 をポケットに入れたのは、武器を携帯するためには仕方のないことではあった し、彼女の拾った相馬の銃が、少々サイズの大きい武骨なものであったことも、 どうにもならぬ問題だ。制服の上のジャケットの裾で隠れるだろうから、気づ かれにくいだろうと思ったのだが、まさか見えているだなんて、思いもよらな かった。ポケットに入れたときには十分に気をつかっていたから、おそらく毛 布の下から出てくるとき、スカートの布が気づかぬうちに引っぱられたか何か したのだろう。全く、間抜けなことだ、と彼女は思う。丁度、この生首女の三 文芝居――相馬光子は、この銃をポケットの中で握りしめているのを見破られ たのだった――のようではないか。 「……嘘をついたのは、謝ります……武器を持ってるなんて言って、攻撃され るのが、怖かったものですから」 それでも冷静さを失わず、彼女は続ける。ここでうろたえては、逆におかし な目で見られかねない。そう考えての、台詞だった。 「ふーん、そっか……じゃあ、しょうがねえな。女の子だもんよ」 それに対する坊屋の答えは、実に暢気なものだったので、その後ろで千葉は ぎょっと目をむいていた。女が銃を持っていながら、丸腰だ、などと言ったこ とで、千葉の中での女の印象の天秤は、さらに悪いほうへと傾いたのだ。なの に、坊屋は平然とそんなことを言う。 「……優しいんですね、春道クン、は」 桂のほうも、少し安心したように口許に笑みを浮かべて、坊屋に答える。そ れに対する坊屋の口調も、いたってのどかなものだった。 「いやあ……春道くん、って、いい響きだよなあ……」 その言葉に、千葉が愕然としたのは言うまでもない。そんな話をしている場 合ではないのだ。彼女が思わず坊屋を諌めようとしたそのとき、坊屋はスッ、 と声のトーンを変えて、こう言った。 「……ただ、オレはどうも、キリノちゃんが呼ぶ『春道くん』のほうが好きみ てェだ」 千葉はハッ、と顔をあげる。自然に上がった彼女の視線がとらえたのは、ス カジャンを脱いで、シャツ一枚になった坊屋の背中……そこには、天へ昇る、 力強い龍の姿があった。 ……坊屋春道は、わかりやすい女好きだ。かわいい女には目がない。女の胸 も尻も大好きだし、有り体に言えば、スケベだ。そして、それ故に、間違って も女に手を上げたりはしない。そういう男だ。だが、だからといって……与し 易い男かと言えば、それは違う。 「だから、ワリぃけど……あんたとは一緒にいねえ方がいい気がする。できた ら女の子はみんな守ってあげたいんだけどよ、多分ホントはあんたも……そ れを望んでねえだろ」 言い切った坊屋は、笑っていた。その顔に桂は、ただならぬ気配を感じて、 退くことにする。この男は、ただのフェミニストではない。言葉にこそしない が、この男は自分にここを去れと言っている。この男の側から去るのではなく、 自分に、去れと。つまりそれは、自分に背中を見せるつもりはない、そういう ことだ。坊屋が桂に示したのは、はっきりとそれを悟らせる物言いと、有無を 言わせぬ笑顔だった。 「……当たり、です。私は、ここからいなくなった方が良さそうですね」 「そうみてぇだ、ゴメンな」 笑ったまま、坊屋は答える。今度は、優しい声で。桂は、自分が相手を読み 違えたことを理解する。この男は、全くもって簡単な男ではなかった。 「謝られることではないと思います……それでは、荷物だけ持たせていただい て、私は退散することにしますね」 この状況で、最大限の利益を得るために、桂はそう言った。荷物は実のとこ ろ、相馬のものであったのだが、状況を知らない2人に、それを嘘と見抜くこ とは不可能だ。坊屋も、それをとがめるような真似はしなかった。 「ああ、じゃあな……アンタも死ぬなよ」 笑ってそう言った坊屋に、相馬の荷物を持った桂は、軽く会釈をした。それ から、堂々と2人の前を横切っていく。横を通るとき、男がさりげなく女をか ばいながら、自分に背を向けないように動いたのを、桂は見た。その様子を、 忌々しく思いながら通り過ぎると、男の背中から、か細い声が聞こえた。 「……気を、つけて、ね」 怯えながら、それでもそう言う女を桂は笑う。まったく、お人好しというか、 偽善者というか。拒絶しておきながら、それでも自分を気遣ってくる女が、桂 は心底可笑しいと思った。 「ふふ……ありがとうございます。お二人ともお優しいんですね。それでは、 さようなら……」 そう言って桂は、ゆっくりと東に向かって歩き出す。西は禁止エリア、北は 自分が来た方向だし、南は端に海があるだけなので、自然と行き先は東に決ま った。その足取りに迷いはまるでない。 桂の奇妙なほど真直ぐに伸びた背を、血が滴るような夕陽が染めている。真 っ赤に灼けたようなその背は、次第に遠くへと消えていった。 【H-4 森/1日目 夕方】 【桂言葉@School Days】 [状態]:喉に軽いダメージ(治癒しつつあります) [装備]:ワルサーP38(9/8+1)、 ワルサーP38の予備マガジン×5、鉈 [道具]:相馬光子のデイパック、支給品一式、相馬光子の首輪 [思考] 基本:全ては誠くんのために。優勝狙いだが最終的にどうするかは誠次第 1:東へ向かう 2:伊藤誠、清浦刹那との合流 3:川添珠姫には近づきたくない 4:誠の無事と意思を確認するまでは積極的に戦わない ただし誠を害する可能性がある者は何をしてでも殺す ※誠以外の人間に対して心を閉ざしました。普通に会話はできます。 色々と変化していますが、本質は変わっていません ※伊藤誠と合流するか、何か言葉にとって衝撃的な出来事があれば元に戻るかもしれません 「……キリノちゃん、大丈夫か?」 銃をポケットにしまいながら、坊屋は千葉の身を案じる。千葉の震えは少し おさまったようだったが、いまだに顔は青いままだ。 「あ……大丈夫、です、ごめんなさい、ちょっと、腰抜けちゃって……」 千葉は足に力が入らない様子で、くったりと地面に座りこんでいる。その背 をそっとさすりながら――本気で心配しながらも、彼の心の片隅に『役得』と いう言葉が浮かんでいたのは言うまでもない――、坊屋は声をかける。 「じゃあ、おんぶしてやるよ! ……このまま、ここには、いたくないだろ?」 そう言った坊屋に、千葉は少し沈黙したあと、青白い顔で笑ってみせた。 「ありがとう、ございます……でも、その前に、この人、せめて、元に戻して あげたいです」 「キリノちゃん……」 「私、怖くて……怖くて、腰なんか抜かしちゃいましたけど、この人も、生き てたんだから……きっと、殺され、ちゃったんだから、せめて、ちゃんとし てあげたいんです」 その台詞に、坊屋は胸を打たれた。そこに転がった恐ろしい生首を、千葉は ちゃんと人間の一部として見ていたのだ。彼は、千葉の言葉に無言で頷くと、 転がる胴体をそっと持ち上げ、仰向けに戻してから、頭部を首にあわせて置い てやった。途中、坊屋はその首に嵌っていたはずの首輪がないことに気づいて 訝ったが、さすがにそれを桂が持って行った、というところまでは考えが至ら ない。そのまま、もう一度静かに毛布をかけてやって……2人は、名も知らぬ 遺体に手をあわせた。 枝葉の間からこぼれ落ちる赤い光が、毛布と2人の金の髪を温かく照らして いる。その光は桂の背を照らすものと同じであるのに、まるで違う色合いを持 って、そこに降り注ぐのだった。 【H-4 森 相馬の遺体近く/1日目 夕方】 【千葉紀梨乃 @BAMBOO BLADE】 [状態]: 腰が抜けている、生首を見たことによる精神的動揺 [装備]: 短刀 、原付スクーター [道具]:デイパック、支給品一式、チャッカマンなどの雑貨数点、常備薬 [思考] 基本:殺し合いはしない。 1:室江高校のみんなを探す 2:そのために島を一周する。次は鷹野神社経由で平瀬村へ 3:春道を、信用しようと思っている [備考] ※春道から、加東秀吉以外の鈴蘭高校出身者の特徴を聞きました。 【坊屋春道@クローズ】 [状態]:健康、精神的緊張感 [装備]: ワルサーPPK(6+1)、改造ライター(燃料:90%)、原付スクーター [道具]:デイパック、支給品一式、救急箱、缶詰、私物のタバコ、ワルサーPPKのマガジン [思考] 基本:キリノと仲を深める 1:キリノを守る 2:電話番号をもらう 3:できれば、その先も…… [備考] ※紀梨乃から、室江高校出身者の特徴を聞きました。
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VSバーン海動or真上 劉備 関羽 張飛 VSライオットCアーニー VSガランアーニー サヤ アルト 海動or真上 劉備 フェイ シン VSバーン 海動or真上 真上「付き合ってもらおうか…俺たちの退屈しのぎに!」 バーン「手負いであろうと手加減はせぬ。覚悟してかかってこい!」 海動「図に乗るんじゃねえ!その鼻っ柱、叩き折ってやるぜ!」 劉備 劉備「ガランに正義はない!それはあなたにもわかるはずだ!」 バーン「正義など所詮、勝者の論理…この戦場を生き抜いてから語る事だな!」 関羽 関羽「それだけの力を持ちながら、なぜガランのような者に加担する!」 バーン「私は拾われた身だ。今は、騎士として忠義を尽くすのみ!」 張飛 張飛「かかってきやがれ!てめえはオレ様がブッ飛ばす!」 バーン「フ、無頼の輩か。面白い、返り討ちにしてやろう!」 VSライオットC アーニー アーニー「僕とジンが初めて掴んだ翼、ライオット… こんなところで、敵として戦いたくはなかった…!」 VSガラン アーニー ガラン「フフフ、見えるぞ…!地獄の底でのたうつ、貴様の運命(さだめ)がな!」 アーニー「勝手なことを!そんな言葉に惑わされるものか!」 サヤ ガラン「どうした!?地獄の旋律は、まだワシの耳には届いておらぬぞ!」 サヤ(旋律…?ヘル・ストリンガーのことを、なぜこの男が…!?) アルト アルト「あんたの動き、見せてもらった。今度こそ決着をつけてやる!」 ガラン「口先だけは一人前だな。だが、貴様に何ができるッ!」 海動or真上 ガラン「魔神を操る者たちよ、うぬらはその力で、何を求める!」 真上「俺たちに大義名分などない!そんなものは所詮、人を騙し、自分を偽るだけの題目だ!」 海動「俺たちは戦いたいから戦う、潰したいから潰す!それだけだ!」 劉備 劉備「ガラン!なぜそこまで戦いを求める!?お前ほどの侠ならば…!」 ガラン「戦いこそは武人の本望!この武の誇りこそが、ワシの生きる証しなのだッ!」 フェイ フェイ「また… 誰かが わたしを見てる?気になるけど…どうしたら いいかな?」 ガラン「そうだ、眠り姫よ。探し続けるがいい、己の存在を…! それが、そなたに与えられた運命(さだめ)なのだッ!」 シン シン「これ以上はやらせない…俺が終わらせてやる!」 ガラン「その意気や良し!だが、我が刀の錆になるだけだ!」
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http //pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1299681223/808-814 ぱぁ―――――ん ‥‥‥この叩き方は桐乃のヤツだな。 まったく、寝ている俺を起こすのにも手順ってモンがあるだろうが。 頭に来るクソアマだ。ここは無視してやる。 ぱぁ―――――ん 無視して‥‥‥ ぱぁ―――――ん 無視‥‥‥ ぱぁ―――――ん 「オマエ! いい加減にしろ!!」 俺の上に馬乗りになって居るであろう桐乃を睨むために目を開くと、 そこには俺の顔面に向かってくる桐乃の拳が見えた。 ボフッ ギリギリで拳を躱すと、拳が俺の枕にめり込んだ。 嘘みたいだろ? このアマ、本気なんだぜ? 「さっさと起きないからでしょ」 「オマエな、寝ている俺を起こすにしても手順がおかしくないか?」 「ハァ? ちゃんとビンタをしてあげたでしょ? 何が不満なの?」 我が妹・桐乃様の居丈高な台詞ktkr 「と・に・か・く、アタシの部屋に来て!」 何なんだよ一体? また“人生相談”か? 眠い目をこすりながら桐乃に引っ張られて桐乃の部屋に入ると、 パソコンが起動していた。 「コレを見てよ」 パソコンの画面には、見慣れたアニメの公式サイトが表示されていた。 そのアニメとは勿論『星くず☆うぃっちメルル』である。 近々、新シリーズが始まるとは聞いていたが‥‥‥ 「メルルがどうかしたのか?」 「ココ! よく見てよ。新シリーズから新キャラが登場するんだって!」 「新キャラ?」 「メルちゃんとアルちゃんの親友という設定の新キャラなの!」 “イプシロン・ラムダ”って名前の新キャラの魔法少女か。 「で? まさかコレを見せるために俺を起こしたのか?」 「そうだケド?」 「ごきげんよう」 「ちょっと待ちなさいよ! 本題はコレから!」 「何だよ本題って?」 「そのページを下にスクロールしてみて」 俺がページをスクロールすると、そこには新キャラの絵が載っていた。 「このイプちゃんの絵をよく見て!」 ふむ。褐色の肌。しなやかに伸びた脚。 艶やかな黒髪を馬の尻尾のように後ろで束ねた髪型。これって‥‥‥ 「ね? そっくりでしょ! リアに!!」 リア・ハグリィ。 桐乃がアメリカに陸上留学していたときのルームメイト。 桐乃曰く「世界最速の小学生」だという。 桐乃が留学を断念して日本に帰ってきてしばらくしてから、 我が高坂家にホームステイした経緯があるので、俺もよく知っている。 「アタシ、びっくりしちゃった! サイトチェックしてなかったから こんなことになっているなんて知らなかった! 出遅れた! 悔しい!!」 相変わらず、メルルのことになると周りが見えなくなるようだ。 「で‥‥‥? コレを見せるために俺を起こしたのか?」 「まだ続きがあんのよ! コレ見て!」 「星くず☆うぃっちメルル 公式コスプレ大会‥‥‥? またやるのか?」 「そう! またやるの」 「まさか‥‥‥オマエ?」 「ふふん、リアに出場してもらうの」 「リアはアメリカだろ。こんなことのためにアメリカから呼ぶつもりか?」 「『こんなこと』?」 「‥‥‥失言でした」 「実はね、リアが日本にまた遊びに来ることになってて、 たまたまコスプレ大会と日程がかぶってんのよ!」 ―――で、俺にどうしろと? いや、わかっているよ? そんなことわかりきっているし。 どうせ、リアを連れて大会に出場するアシストをしろってんだろ? というわけで、会場は今回も秋葉原UDXだ。 昨日、日本に来たばかりのリアを連れ、桐乃と一緒にやってきた。 桐乃には観覧客として会場に入らせ、リアはコスプレ大会参加者として、 そして俺は、今やメルル公式コスプレーヤーのような扱いになっている 来栖加奈子を誑かした時と同様、マネージャーのフリをして会場に潜り込んだ。 「おー、居やがったか」 メルルのコスプレ第一人者であるクソガキ加奈子の第一声。 「マネージャーさん、こんにちは」 “アルファ・オメガ”のコスプレーヤーであるブリジット・エヴァンス。 この二人も今回の大会に特別出場するようだ。 「聞いたぜ? 今回はスゲーのが居るんだって?」 「もう噂になっているのか?」 「もっとも、どんな奴が来ようが、加奈子の優位は変わんねーけどヨ」 余裕だな。だが今回はそうはいかないかもよ? 二人との会話もそこそこに、リアの居る控え室に行くと、 リアが衣装に着替えている最中だった。 沙織のツテでそれっぽい衣装を用意したが、サイズは大丈夫だろうか。 しばらくすると、カーテンの向こうから、衣装に着替えたリアが出てきた。 「おにいちゃん、できたよ!」 これは‥‥‥まさしく“イプシロン・ラムダ”そのものじゃねえか? 公式サイトに載っていた絵のまんまの立ち姿。 スカートこそ膝下まであるものの、『星くず☆うぃっちメルル』の 登場人物の公式通り、扇情的な衣装。 このリアの姿からあの絵を起こしたと言ったら、誰もが信用するだろう。 「すごいな」 「えへへっ」 リアは着替えた服が入った紙袋を俺に手渡すと、スタッフに連れられていった。 ふと袋の中を見ると、ん‥‥‥? これは‥‥‥ぱんつ? “見せパン”にでも履き替えたのだろうか。リアって結構、用意がいいな。 「星くず☆うぃっちメルル 公式コスプレ大会 はっじまるよ~~~」 メルルの声優、星野くららさんの司会で大会が始まった。 今回は30人近い出場者が居るという。リアは21番目に登場するようだ。 俺はステージの袖からリアのパフォーマンスを見物することにした。 でもパフォーマンスと言っても、一体何をするんだ? 歌なんて歌えないだろうし、踊りだって怪しいモンだ。 ‥‥‥‥‥‥ 「それでは21番。アメリカから来てくれたリア・ハグリィちゃんです!」 音楽が流れると同時にリアの第一声が会場に響き渡った。 「おにいちゃん、超好きっ!」 ‥‥‥なんだよ、よりによってその台詞かよ! つーか、そんな台詞、作品中にあるのかよ? うわっ! 会場で何人かの大きなお友達が昏倒したぞ。 今の台詞で萌え尽きたのか? ワケわからん! 動かない絵しか公式に存在しない現時点で、“イプシロン・ラムダ”そっくりの コスプレなんか見せられたら、ああなるのも無理は無いのかも知れない。 次にどうするのか期待と不安でステージ上のリアを見ていると、 「とぅっ!!」 ぴょんぴょんぴょん―――と、連続してのバック転からバック宙。 高坂家で初めて会った日に、桐乃のフックを躱した時に見せた動きだ。 あの時よりもさらに動きが鋭くなっている気がする。 メルルの作品中に登場するバトルシーンにも出てきそうな動きだ。 「うおおおおおおおおおお!!!」 大きなお友達が主体の会場が沸いた。 そして、リアがフィニッシュを決める。 空中で何回転もした後に、足を伸ばして着地の体勢に入った。 その時、俺の目の前でリアのスカートの後ろ側の裾が捲れ上がった。 着地と同時に捲れ上がったスカートの裾は下に落ちて綺麗に収まった‥‥‥ あ‥‥‥ありのまま、今起こった事を話すぜ! 俺の目の前でリアが空中で回転して着地の体勢を取ったと思ったら スカートの裾が捲れ上がって、何も無かったんだ。 な‥‥‥何を言ってるのか、わからねーと思うが、 俺も何を見たのかわからなかった。頭がどうにかなりそうだった‥‥‥ “見せパン”だとか“モロパン”だとか、そんなチャチなもんじゃあ断じてねえ。 もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ‥‥‥ 要するに、何も穿いてなかったんだよ! ノーパンだったんだよ!! ケツが丸見えだったんだよ! 会場の様子からして俺だけにしか見えなかったようだが、何を考えてんだ! 俺の記憶はそこから先、途切れ途切れになっていた。 何しろ、リアのヤツ、ステージの上で跳んだり撥ねたりするモンだから、 いつモロ出しになるのか気が気でなかった。 おかげで、加奈子とブリジットを抑え、リアが優勝したのもよく覚えていない。 だが、何とかノーパンがバレずに済んだようだ。やれやれ。 ‥‥‥‥‥‥ 「リア、すごいじゃん!」 「キリノ、やったよ!!」 桐乃がリアと抱き合って喜んでいる。こういう瞬間って悪くないよな。 そう思ったのもつかの間、桐乃が険しい表情で俺に話しかける。 「ちょっとアンタ」 「なんだ?」 「アンタさ、リアのスカートが捲れ上がった時にガン見したでしょ?」 「ぐぅっ!」 「どうせ見せパンでしょうけど、ガン見するなんて変態! ロリコン!」 「みせぱんって、なに?」 リアが割り込んで無邪気な顔で問いかけてきた。 「見せパンってのは見せても大丈夫なパンツのこと。穿いているんでしょ?」 「キリノ、そんなの穿いてないよ」 「え!? じゃあモロパン? この変態!!」 桐乃が俺を睨み付ける。 「ちがうよキリノ。ほらっ」 リアはそう言うと、桐乃に向かって自らのスカートを捲り上げた。 「ぬあっ!! な、な、な‥‥‥‥‥‥!!」 「ね? 穿いてないって言ったでしょ?」 「アンタ!!!」 桐乃は阿修羅のような顔で俺を睨み付けた。 メルル、アルファ・オメガに続く三人目の魔法少女はとんでもない災厄を 俺に運んできたようだ。 『サード・うぃっち』 【了】
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The Gold Experience No.1:<黄金と路は交わらず少女は背を血色に染める> ◆.b1wT4WgWk 喉の痛みに耐えながら、桂言葉は道を急いだ。今の彼女は丸腰だ。この状態 で男性の参加者に襲われでもすれば、武器も持たぬただの女性である彼女にと って、かなり不利な状況が生まれることは間違いない。それを自覚している桂 は、周囲にできる限り気を配りながら動く。遠目からでもすぐわかるような開 けたところは避けたかったので、わざと森の中を歩いた。相馬の死体のある場 所はあまり細かく覚えていなかったが、少なくとも道端ではなかったはずだ。 地図も何もなかったが、太陽の位置でおおよその方角はわかるので、もともと いた場所に戻るのにはさほど支障がなかった。 (暗くなる前にたどり着かないといけませんね……明かりもないから、夜にな ったら下手に動けなくなる……) 冬の陽が落ちるのは早い。もう随分と位置を低くした太陽は、しばらくすれ ば滴るような赤に空を染めることだろう。そうなってしまえば、森の中を動く のは容易なことではなくなる。この田舎なら星や月の明かりは期待できそうだ が、それでも昼間と同じ条件とは言えない。デイパックを持たない桂は、当然 支給品のランタンも持っていなかった。自分の足許、手許を照らすほどの明か りもない状態で迎える夜は、どうにも歓迎できはしない。彼女は幾分、焦りを 感じる。 (……誠くんは、どこにいるんでしょう) 昼の放送では、伊藤誠の名前は呼ばれなかった。とはいえ、その身の安全が 完全に保証されているわけでもない。彼女は早く伊藤と合流したいと考えてい た。学校対抗などというが、要するに、他が全て死んでしまえば終わりだ。桂 にとっては、それで済む話だった。他の同級生になど特に興味もなかったし、 その生死など知ったことではない。伊藤誠の希望がわからない以上、彼に会う までは大人しくしていようと思っている彼女だが、正直なところ、彼以外の同 級生に気を払う必要は微塵も感じていなかった。桂にとって、同じ学校の人間 は守るべき仲間ではない。わざわざ消すほど邪魔な人間ではないが、どこで何 をしていようとどうでもいい程度の人間だ。それは、他の参加者たち――宮崎 都を除いて――とは明らかに大きくかけ離れた感覚だった。 実際には、桂の知らぬところで伊藤誠の命はすでに尽きているのだから、現 実は非情なものだ。彼は2人の女に囲まれて、神社の境内で眠っている。彼を 求めてやまない彼女を置いて、他の女と逝ってしまった。もう数時間もすれば、 桂は伊藤の命が散ったという、重い事実を知ることになるだろう……が、今は まだ、桂に真実を告げるものはいない。 葉の落ちた木々の枝をかきわけ、桂は森の中を進む。一時間、いや二時間は 歩いただろうか、喉の痛みも随分と薄れたころ、木々の間に、地面に奇妙な格 好で盛り上がっている毛布を彼女は見つけた。それは何の変哲もないごく普通 の毛布だったが、森の中では、その幾分人工的な色がよい目印になる。 (……誰も、触っていないようですね……好都合です) ガサガサと枝をかきわけながら、彼女はそれに近づく。毛布の傍らにしゃが み込むと、あたりを見回した。今のところ人の気配はないが、この位置からだ と、近くを通る道が見える。そういえば、この道を行く途中で相馬に声をかけ られたのだった。これでは誰かが通って自分の姿を見ないとも限らない。こち らから狙えるのも確かだが、同時に向こうからも狙いやすい。あまり長居に適 した位置ではない、と判断した桂は、すぐに毛布をめくりあげる。 彼女が命を奪った女は、生前の美しさを欠片も思わせぬ醜い表情のまま生首 になっていた。ご丁寧に、繋がっていたはずの頸部の付近に仰向けで転がされ ていた生首は、しかし相馬の身体が俯せに倒れていたので、どうにも気味の悪 い光景をつくり出している。これをやった川添は、おそらく生首とはいえ、人 の顔を地面に向けておくというのに抵抗があったのだろうが、結果はなかなか に悲惨であった。その横には、相馬の首に巻き付いていた首輪も転がっている。 桂はそれを持ち上げて、何とはなしに眺めてみた。もちろん、彼女の首にも同 じものが嵌っている。 (そういえば、これは爆発するんでしたね……) 教室で見た、首輪の爆発。これで男子生徒がひとり死んでいた。何かリモコ ンのようなもので操作していたけれど、恐らく中には爆薬が入っているのだろ う。ならばひょっとして、何かに使えるかもしれない。桂はそう考え、その首 輪と、横に落ちていた、革の鞘つきの鉈らしきもの――どうやら相馬の支給武 器だったようだ――を相馬のデイパックに放り込む。相馬の荷物は、そっくり そのまま持っていくつもりだったからだ。そのまま、バッグに突っ込んだ手で 中を探っていると、相馬の支給品の銃が見つかった。桂はそれを手にとり、す ぐさまセーフティーレバーを押し上げると、制服のスカートのポケットにしま う。それなりにサイズの大きい銃なので、外から見えないようにと、気を使い ながら。 そのとき、桂の耳に、何やら排気音のようなものが聞こえた。彼女は急いで 顔をあげ、前方に見える細い道を確認する。音は彼女から見て右手から聞こえ てきていたので、桂は目をこらしてそちらを見つめた。 (スクーター、でしょうか……? そんな移動手段があったとは、気づきませ んでした……) まだ幾分距離はあるが、2台のスクーターがこちらに向かって走ってくる。 男がひとり、女がひとり。どちらも金色の髪をしている。制服の感じからする と、互いに同じ学校の生徒のようには思えない。ということは、戦う気のない 2人、ということだろうか、桂は考える。けれども、戦う気のないふりをして 誰かに同行しながら、相手を利用しようと考える……あたかも彼女のような人 間もいないわけではない。自分自身がそうした人間であるぶん、桂言葉は疑い 深くなりがちだ。 どちらにせよ、2人とも自分の学校の制服ではないし、当然ながら彼女の探 す伊藤誠でもない。それならばわざわざ接触する意味はなさそうだった。あち らには男もいる。相手が何の武器も持っていないのなら、襲われてもこの銃で 片付けられるかもしれないが、何か武器を持っているとなれば面倒だ。同じ条 件となれば、2対1の上に相手に男がいる、というのは彼女にとって圧倒的に 不利な戦いになる。最悪の場合まで考えた結果、彼女は身を隠してこの場をや り過ごすことを選んだ。 ……しかしながら、隠れられる具合のいい場所、というのもあまりない。仕 方なく桂は、相馬の死体の上にかぶせられた毛布の下に隠れた。屍との同衾は 彼女にとってもあまり気持ちのよいものではなかったが、この際我慢するしか ない。 そうこうしているうちに、スクーターの排気音はだんだんと桂のほうへと近 づいてきた。このまま音が通り過ぎて、遠くなっていけばそれが一番望ましか ったのだが、悪いことにそれは、彼女にかなり近い位置まできたところで停ま る。何やら2人の話す声が聞こえてきて、しばらくすると枝葉を踏みしだく足 音も近づいてきた。 (……最悪、ですね) 桂は溜息を吐きながら、ポケットの上から銃に触れる。毛布をめくられたら、 状況によっては撃たざるを得ないかもしれない。積極的に戦いを選ぶことはし ないと決めたが、こんなところで命を落とすわけにもいかないのだ。毛布越し で少しばかりくぐもった、暢気な声が桂の耳に響く。 『春道くーん、この毛布、中になんかある気がしますよ!』 これなら、そう危なくはないかもしれない……女の声音に桂はそう考えて、 少しだけ唇の端をつり上げたのだった。 坊屋春道と千葉紀梨乃の2人は、比較的のんびりとした様子で、スクーター を並べて走っている。彼らはどちらも、命に関わるような事態であるとか…… 目の前に転がる死体であるとか……を、いまだ目にすることなく進んできた。 そういった意味では、どちらもまだ、このプログラムの非情さを生々しく体感 してはいない。 とはいえ、坊屋は大切な友人である桐島ヒロミを失った。たくさんの思い出 を共有する、大切な仲間であった彼を失ったことは、坊屋の心に深い傷を残し ている。だが彼はそれでも、友人の死を受けとめるだけの強さを持っている男 だった。泣くことも喚くことも、人にあたるような真似もせず、激しく、そし て静かな怒りをひとりで噛みしめる強さ。己の動揺を千葉に見せぬよう、彼女 の前を辞する優しさ。どちらも、坊屋春道の拳に宿るものを思わせる。 それに対して千葉は幸運にも、放送の時点で、まだどの友人も健在とわかっ ていた。本当に誰かが命を落としたという事実、それもこんな短時間で10人 もの人間が亡くなるという事実には、とても強い衝撃を受けはしたし、自分の 横にいる坊屋の友人が逝ったことも、千葉の胸に影を落としはしたが……それ でも、少なくとも……桑原も、川添も、宮崎も、栄花も、どこかで生きている。 その事実が、千葉の精神を強く保たせていた。 だからこそ彼女は、友人を失った坊屋に対しても、彼女のやり方で十分に気 遣いを見せることができたのだ。千葉紀梨乃は、傷ついた坊屋を顧みずに甘え るような、無神経な女ではない。彼女は、動揺の中にあってなお、目の前の坊 屋を気遣ってみせた。彼女が笑顔を向けることで、坊屋の荒れた心が癒された のは間違いない。千葉は、人の胸の内をあたためる、優しい笑顔を持つ女だ。 彼女の明るさは、坊屋にとっても救いである。 2人は互いに、互いを思いやりながらここまで来た。この島で初めて会った 相手だというのに、彼らは不思議なほどうまく互いを支えあえている。悲惨な 戦いがいくつも巻き起こるこの島で、それは奇跡のような出会いだった……そ して、この2人が初めて目にする生々しい現実もまた、互いへの思いやりに端 を発する。 「は、は、はっくしゅん!」 道中、千葉がひとつクシャミをして、その拍子にブレーキをかけた。坊屋は それを見て、自分もスクーターを停めると、彼女の身体をいたわる言葉をかけ る。 「キリノちゃん、寒いのか?」 「だ、大丈夫です! ちょっと鼻がむずむずしちゃって」 「いや、風邪ひいたらマズいだろ、これ着てろよ」 「えっ?! ダメですよ、春道くんが風邪ひいちゃいますから!」 「いーからいーから!」 坊屋は自分の着ていたスカジャンを彼女に着せかける。女の子にこういうこ とするの夢だったんだよなあ、などと思いつつ。千葉としては、確かにちょっ と肌寒かったものの、ここまでさせるのは申し訳ない、と固辞しようとしたの だが、坊屋はそれを許してくれない。仕方なく、彼の優しさに甘えることにし たのだが、上がロングスリーブのシャツ一枚になった坊屋が寒そうで、どうも 気にかかる。 「あの、ほんとに寒くないですか? そのシャツ一枚じゃ……」 「ダイジョーブ! キリノちゃんはそーいうこと気にすんな!」 「……春道くん」 「さ、そろそろ行こうぜ。日が暮れねえうちに神社まで行ったほうがいいだろ?」 「……はい、あの、ありがとうございます!」 「いやー、どーいたしまして! はっはっはっ……」 そんなほのぼのした会話を繰り広げながら、彼らは道を行く。しばらく、た わいもない会話を続けながら走っていると、千葉が少し先の森の中に、何かが 落ちているのを見つけた。 「あ、あれってひょっとして……毛布じゃないですか?」 「ん? ああ、それっぽいな……なんであんなとこに」 「……あれ、誰のでもないですよね、多分」 「うん、まあ、要るものだったらあんなとこ置いとかねえだろうしな……もら ってこようか? 夜になったらもっと寒ぃだろうし」 「そうしたほうがいいかなって、私も今思ってました」 「よし、決まりだな」 そう言って、坊屋はスクーターから降りる。千葉もすでに降りていて、彼よ り先に毛布のもとに駆けていった。それを追って、坊屋が大股で森の中に入っ ていく。 「春道くーん、この毛布、中に何かある気がしますよ!」 まだ少し後方にいる坊屋に、千葉の声がかかる。それを聞いて、坊屋は何と なく……これはもはや、何となく、としか言いようのない、嫌な予感がした。 こんな場所で、毛布が森の中に落ちていて、中に何かある。それは多分、あま り見ない方がいいものが、中に入っているのではなかろうか……そういう、予 感だ。 「キリノちゃん、それ……」 坊屋が言いかけたとき、千葉はすでに毛布の端に手をかけていた。角の部分 を持って、ぺらり、と軽くめくったその瞬間、ごろり、と転がったもの。 「ひっ……!」 「キリノちゃん!」 ……それは、相馬光子の生首であった。 坊屋の勘は正しい。この毛布の中には、見るべきでないものが二つも入って いる。相馬光子の死体と、銃を携えた桂言葉だ。千葉は、布がめくれた勢いで 転がり出た生首に腰が抜け、すぐに持っていた毛布から手を離したので、桂の 姿は見ないで済んでいた。 坊屋は、ぺしゃりと座りこんだ千葉に駆け寄る。生首を目にした千葉の顔は 蒼白だった。坊屋自身も、転がる首と目があってしまって一瞬吐き気を催した が、何とか耐えると、千葉の目を手で覆い、力の入らないその身体を引き寄せ た。 「キリノちゃん、しっかりしろ……もう、見ちゃダメだ」 言いながら、坊屋はもう一度毛布と生首を見やる。この膨らみの具合からし て、首だけでなく胴体も入っていそうだ。これ以上触らない方がいいだろう、 そう判断して、千葉をつれてスクーターを置いた場所に戻ろうとした、そのと きだった。 ……毛布の膨らみが、ほんのわずかに動いた。 坊屋は初め見間違いかと思ったのだが、用心してしばらくそのあたりに視線 を固定してみた。やはりわずかに動いているように見受けられる。呼吸の動き、 とでも言えばいいだろうか、人間が生きているが故の、隠しようのない動きだ。 坊屋は千葉を背中にかばうと、渡されていた銃を手にとって構える。その行動 は言うなれば、喧嘩という形で……他人と戦うことを繰り返してきた坊屋の本 能的な警戒だった。 中に誰かいる、ということはつまり、ここで背中を見せて去ったら、後ろか ら狙われる可能性がある、ということだ。坊屋は頭でそこまで考えはしなかっ たが、本能的に状況を理解していた。 「……おい、中に誰かいるだろ、出てきやがれ」 低い声でそう告げた坊屋の背中で、千葉がびくりと震える。坊屋としては、 生首に衝撃を受けている千葉をこれ以上、怖がらせたくはなかったのだが…… こればかりは、如何ともしがたかった。 坊屋が毛布に照準をあわせたまま、微動だにせずいると……やがて、その毛 布が、べろり、と皮をむくように地面からはがれる。あらわになる相馬の首か らの下の胴体、そして現れる――ひとりの、女。 「それをこっちに向けないでもらえませんか。何も……しませんから」 千葉が毛布をめくった瞬間、桂は息をひそめてじっとしていた。毛布の中か らではあまり状況がつかめなかったし、自分のいる側とは逆の端をめくられた ことは何となくわかったので、大人しくしている方がよさそうだ、とふんだの だ。口調からして、どうみても攻撃的な相手ではなさそうだし、下手に動くよ り、黙ってやり過ごそう、そう彼女は考えた。 そして聞こえた女の悲鳴と、それをかばう男の声。これなら、2人ともすぐ にこの場を去ってくれるだろう、そう桂は期待する。生首ひとつに動揺するよ うな女を連れているのだ。これ以上、中を確かめようとは思うまい。そう考え た桂は、できる限り呼吸を小さくし、息を止めていた。 しかし、生きた人間であるが故に、それにも限界があった。呼吸にあわせて ほんのわずかに上下する身体を、おさえることはできない。それを、坊屋はめ ざとく見つけたのだった。 「……おい、中に誰かいるだろ、出てきやがれ」 わずかに響く金属音と、今までとはうって変わった男の低い声に、桂はぴり り、と緊張する。これはこのままやり過ごすことはできなさそうだ。彼女は毛 布の下で小さな溜息をまた吐いて、それから少し考えたあと、バッと毛布をめ くってみせた。 「それをこっちに向けないでもらえませんか。何も……しませんから」 そう言って桂は立ちあがる。銃は手にせず、ポケットに入れたままだった。 いきなり撃つことはないだろう、そのつもりなら毛布の上から撃てばいいのだ から。ただ単に相手は、自分の存在を確認したいだけだ……そう読んで、桂は わざと堂々とした態度をとったのだ。 「……ワリぃ、女の子とは思わなかった!」 桂に銃を向けていた男の声は、先ほどまでの低いものから、すぐに調子を変 える。銃口も下がった。どうやら相手はフェミニストらしい、と桂は思う。こ れは与し易そうだ。銃も持っていることだし、この際、一緒に行動して利用す る、というのもありかもしれない。そう考えた彼女は、言葉を選んだ。 「驚かせてしまったようで、申し訳ないです……あなたがたが向こうから来る のが見えて、咄嗟に隠れたものですから」 「や、こっちこそゴメンな、こんなもん向けて」 「こんな、場所ですから……何があるか、わからないと思いまして……でも、 よかったです……ここにいらしたのが、あなたのような、優しそうな人で。 怖い人だったら、もう撃たれていたかもしれませんし……」 「いやぁ、だっはっは……優しそうなんて女の子に言われたの初めてだなぁ!」 男は鼻の下をのばしてそんな台詞を吐いている。これならとりいるのは簡単 そうだ。桂はそう考えて、言いつのる。 「あの、ぶしつけなお願いで、とても申し訳ないのですけれど……もし、よけ れば……私も、ご一緒、できませんか……? ひとりでは、怖いので……」 ゆっくりと、本当に怯えているかのような口調で、桂はそう口にした。男の 顔は、先ほどの警戒を解いたのか、幾分緩んでいるように思える。これなら、 うまくすれば……そう思った矢先、座りこんで男の後ろに隠れたままの女が、 口を開いた。 「は、春道くん……私、この人、怖いです……」 面倒なことになった、と桂は思う。男の背中で怯えていたかと思えば、何を 言い出すのだこの女は。心の内で悪態をつきながらも、桂は表情を崩さない。 「……どうした、キリノちゃん」 「だって、この人……その、首……っ、のひと、がいる、とこに、いたんです よ……っ、普通の、顔で……!」 ……まったく、首のひとつやふたつ転げていたところで何だというのだ。い くら自分だって、こんなものと同じ布の下に進んで隠れたわけではない。仕方 がなかったのだ。桂は少し苛つきながら、女に言葉を投げる。 「私だって、したくてしたことではありません。さっきも言った通り、貴方た ちがこっちに来るのが見えましたので、咄嗟に隠れただけです……、私は丸 腰でしたので、何かされても困りますから」 「私だって、したくてしたことではありません。さっきも言った通り、貴方た ちがこっちに来るのが見えましたので、咄嗟に隠れただけです……、私は丸 腰でしたので、何かされても困りますから」 ……それはまあ、真っ当な言い分だ。そう坊屋は思った。真っ当なのだが、 どうも気に食わない部分がある。坊屋の目に映るのは、長い黒髪と美しい顔、 そして豊かな胸――どうしてもこれには目がいってしまった――を持った少女 の、腰のラインだ。 坊屋は男として非常に正直であったので、女が毛布の下から姿を現したとき、 その容姿の美しさに一瞬、目を奪われた。そして、美しい女性に対する礼儀と でも言わんばかりに、その肢体をきっちり眺めた。上から下まで、その衣服の 下の裸を想像していたとまでは言わないが、身体のラインをその目でしっかり 追ってはみた。男のさが、というやつだ。誰も彼を責めることはできない。 そして坊屋は、その男の哀しい性質故に、気づいたのだ。女の魅力的なくび れと、そこから熟れた曲線を描く、腰の右側。スカートのポケットがどうも、 無粋に膨らんでいた。はっきり言って、まともなものが入っているとは思えな い膨らみだ。目をこらしてみれば、何か金属的なものが、ポケットからわずか にはみ出している。 確実ではない。確実ではないが……あれは、拳銃ではなかろうか。坊屋はそ う考えた。実際に自分も持っているから、形から想像がついてしまったのだ。 女が拳銃を持っていたところで、それ自体は問題ない。自分も持っているし、 支給されたなら身を守るために持つ可能性はあるだろう。だが、それを持って いるのに、『丸腰』だなどというのはあまり好ましくない。それに、千葉が言 うとおり……屍と平然と同衾できる女というのは、いくら美人でもごめんこう むりたい、と坊屋も思う。 千葉は、毛布の下から現れた女を、本当に恐れていた。あんな怖いもの…… 怖くて、悲しいものと一緒に、毛布の下にいられて、しかも全く平気な顔をし ているなんて。どう考えても普通の神経じゃない、千葉はそう感じた。自分だ ったら、いくら誰かが来て、隠れなければと思ったとしても、絶対にこの毛布 の下は選ばない。もし、中に何があるのか知らないで隠れようとしたのなら、 毛布をめくった瞬間に隠れるどころの騒ぎではなくなる。なのに、そんなこと を普通にやってしまえる女が、千葉は本当に信じられなかったし、恐ろしくて たまらなかった。だから、震えながら坊屋に訴えたのだ。この女には近づくべ きではない、危険だ……と。千葉の心は、そう叫んでいた。 千葉紀梨乃は、容易に人を拒むような性格の持ち主ではない。彼女にとって、 これはほとんど……人生で初めての、本格的な他者の拒絶、と言っていいかも しれなかった。そんな千葉の心を知ってか知らずか……坊屋春道は口を開く。 「心配すんな、女の子に手ぇ上げたりしねえよ」 坊屋は、桂の言葉に応えてそう告げ、それから続けて、こう言った。 「でも……な」 その微妙な響きに、毛布の下から現れた女は訝しむように答える。 「……何ですか?」 「嘘はあんま、好きじゃねえな……ポケットから、見えてる」 坊屋のその答えに、女は一瞬顔色を変えた。まるで仮面でもかぶったように、 ほんの一瞬、表情がそぎ落とされたのだ。それは、とても奇妙な顔で、坊屋は 少しばかり、胆の冷える思いがした。 対する女……桂のほうは、自分の手痛いミスに胸の内で舌打ちしていた。銃 をポケットに入れたのは、武器を携帯するためには仕方のないことではあった し、彼女の拾った相馬の銃が、少々サイズの大きい武骨なものであったことも、 どうにもならぬ問題だ。制服の上のジャケットの裾で隠れるだろうから、気づ かれにくいだろうと思ったのだが、まさか見えているだなんて、思いもよらな かった。ポケットに入れたときには十分に気をつかっていたから、おそらく毛 布の下から出てくるとき、スカートの布が気づかぬうちに引っぱられたか何か したのだろう。全く、間抜けなことだ、と彼女は思う。丁度、この生首女の三 文芝居――相馬光子は、この銃をポケットの中で握りしめているのを見破られ たのだった――のようではないか。 「……嘘をついたのは、謝ります……武器を持ってるなんて言って、攻撃され るのが、怖かったものですから」 それでも冷静さを失わず、彼女は続ける。ここでうろたえては、逆におかし な目で見られかねない。そう考えての、台詞だった。 「ふーん、そっか……じゃあ、しょうがねえな。女の子だもんよ」 それに対する坊屋の答えは、実に暢気なものだったので、その後ろで千葉は ぎょっと目をむいていた。女が銃を持っていながら、丸腰だ、などと言ったこ とで、千葉の中での女の印象の天秤は、さらに悪いほうへと傾いたのだ。なの に、坊屋は平然とそんなことを言う。 「……優しいんですね、春道クン、は」 桂のほうも、少し安心したように口許に笑みを浮かべて、坊屋に答える。そ れに対する坊屋の口調も、いたってのどかなものだった。 「いやあ……春道くん、って、いい響きだよなあ……」 その言葉に、千葉が愕然としたのは言うまでもない。そんな話をしている場 合ではないのだ。彼女が思わず坊屋を諌めようとしたそのとき、坊屋はスッ、 と声のトーンを変えて、こう言った。 「……ただ、オレはどうも、キリノちゃんが呼ぶ『春道くん』のほうが好きみ てェだ」 千葉はハッ、と顔をあげる。自然に上がった彼女の視線がとらえたのは、ス カジャンを脱いで、シャツ一枚になった坊屋の背中……そこには、天へ昇る、 力強い龍の姿があった。 ……坊屋春道は、わかりやすい女好きだ。かわいい女には目がない。女の胸 も尻も大好きだし、有り体に言えば、スケベだ。そして、それ故に、間違って も女に手を上げたりはしない。そういう男だ。だが、だからといって……与し 易い男かと言えば、それは違う。 「だから、ワリぃけど……あんたとは一緒にいねえ方がいい気がする。できた ら女の子はみんな守ってあげたいんだけどよ、多分ホントはあんたも……そ れを望んでねえだろ」 言い切った坊屋は、笑っていた。その顔に桂は、ただならぬ気配を感じて、 退くことにする。この男は、ただのフェミニストではない。言葉にこそしない が、この男は自分にここを去れと言っている。この男の側から去るのではなく、 自分に、去れと。つまりそれは、自分に背中を見せるつもりはない、そういう ことだ。坊屋が桂に示したのは、はっきりとそれを悟らせる物言いと、有無を 言わせぬ笑顔だった。 「……当たり、です。私は、ここからいなくなった方が良さそうですね」 「そうみてぇだ、ゴメンな」 笑ったまま、坊屋は答える。今度は、優しい声で。桂は、自分が相手を読み 違えたことを理解する。この男は、全くもって簡単な男ではなかった。 「謝られることではないと思います……それでは、荷物だけ持たせていただい て、私は退散することにしますね」 この状況で、最大限の利益を得るために、桂はそう言った。荷物は実のとこ ろ、相馬のものであったのだが、状況を知らない2人に、それを嘘と見抜くこ とは不可能だ。坊屋も、それをとがめるような真似はしなかった。 「ああ、じゃあな……アンタも死ぬなよ」 笑ってそう言った坊屋に、相馬の荷物を持った桂は、軽く会釈をした。それ から、堂々と2人の前を横切っていく。横を通るとき、男がさりげなく女をか ばいながら、自分に背を向けないように動いたのを、桂は見た。その様子を、 忌々しく思いながら通り過ぎると、男の背中から、か細い声が聞こえた。 「……気を、つけて、ね」 怯えながら、それでもそう言う女を桂は笑う。まったく、お人好しというか、 偽善者というか。拒絶しておきながら、それでも自分を気遣ってくる女が、桂 は心底可笑しいと思った。 「ふふ……ありがとうございます。お二人ともお優しいんですね。それでは、 さようなら……」 そう言って桂は、ゆっくりと東に向かって歩き出す。西は禁止エリア、北は 自分が来た方向だし、南は端に海があるだけなので、自然と行き先は東に決ま った。その足取りに迷いはまるでない。 桂の奇妙なほど真直ぐに伸びた背を、血が滴るような夕陽が染めている。真 っ赤に灼けたようなその背は、次第に遠くへと消えていった。 【H-4 森/1日目 夕方】 【桂言葉@School Days】 [状態]:喉に軽いダメージ(治癒しつつあります) [装備]:ワルサーP38(9/8+1)、 ワルサーP38の予備マガジン×5、鉈 [道具]:相馬光子のデイパック、支給品一式、相馬光子の首輪 [思考] 基本:全ては誠くんのために。優勝狙いだが最終的にどうするかは誠次第 1:東へ向かう 2:伊藤誠、清浦刹那との合流 3:川添珠姫には近づきたくない 4:誠の無事と意思を確認するまでは積極的に戦わない ただし誠を害する可能性がある者は何をしてでも殺す ※誠以外の人間に対して心を閉ざしました。普通に会話はできます。 色々と変化していますが、本質は変わっていません ※伊藤誠と合流するか、何か言葉にとって衝撃的な出来事があれば元に戻るかもしれません 「……キリノちゃん、大丈夫か?」 銃をポケットにしまいながら、坊屋は千葉の身を案じる。千葉の震えは少し おさまったようだったが、いまだに顔は青いままだ。 「あ……大丈夫、です、ごめんなさい、ちょっと、腰抜けちゃって……」 千葉は足に力が入らない様子で、くったりと地面に座りこんでいる。その背 をそっとさすりながら――本気で心配しながらも、彼の心の片隅に『役得』と いう言葉が浮かんでいたのは言うまでもない――、坊屋は声をかける。 「じゃあ、おんぶしてやるよ! ……このまま、ここには、いたくないだろ?」 そう言った坊屋に、千葉は少し沈黙したあと、青白い顔で笑ってみせた。 「ありがとう、ございます……でも、その前に、この人、せめて、元に戻して あげたいです」 「キリノちゃん……」 「私、怖くて……怖くて、腰なんか抜かしちゃいましたけど、この人も、生き てたんだから……きっと、殺され、ちゃったんだから、せめて、ちゃんとし てあげたいんです」 その台詞に、坊屋は胸を打たれた。そこに転がった恐ろしい生首を、千葉は ちゃんと人間の一部として見ていたのだ。彼は、千葉の言葉に無言で頷くと、 転がる胴体をそっと持ち上げ、仰向けに戻してから、頭部を首にあわせて置い てやった。途中、坊屋はその首に嵌っていたはずの首輪がないことに気づいて 訝ったが、さすがにそれを桂が持って行った、というところまでは考えが至ら ない。そのまま、もう一度静かに毛布をかけてやって……2人は、名も知らぬ 遺体に手をあわせた。 枝葉の間からこぼれ落ちる赤い光が、毛布と2人の金の髪を温かく照らして いる。その光は桂の背を照らすものと同じであるのに、まるで違う色合いを持 って、そこに降り注ぐのだった。 【H-4 森 相馬の遺体近く/1日目 夕方】 【千葉紀梨乃 @BAMBOO BLADE】 [状態]: 腰が抜けている、生首を見たことによる精神的動揺 [装備]: 短刀 、原付スクーター [道具]:デイパック、支給品一式、チャッカマンなどの雑貨数点、常備薬 [思考] 基本:殺し合いはしない。 1:室江高校のみんなを探す 2:そのために島を一周する。次は鷹野神社経由で平瀬村へ 3:春道を、信用しようと思っている [備考] ※春道から、加東秀吉以外の鈴蘭高校出身者の特徴を聞きました。 【坊屋春道@クローズ】 [状態]:健康、精神的緊張感 [装備]: ワルサーPPK(6+1)、改造ライター(燃料:90%)、原付スクーター [道具]:デイパック、支給品一式、救急箱、缶詰、私物のタバコ、ワルサーPPKのマガジン [思考] 基本:キリノと仲を深める 1:キリノを守る 2:電話番号をもらう 3:できれば、その先も…… [備考] ※紀梨乃から、室江高校出身者の特徴を聞きました。 59:金髪男子のコロシカタ編 投下順で読む 61:The Gold Experience No.2:<黄金の背に追い縋り少年は冬の路傍に立ちぬ> 58:盗聴!発射!回復! 時系列順で読む 61:The Gold Experience No.2:<黄金の背に追い縋り少年は冬の路傍に立ちぬ> ▲
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シナリオ攻略 第4話 『舞い降りた翼』 勝利条件 敵の全滅 敗北条件 味方機の撃墜 ステージデータ 初期 初期味方 エルシャンク(ロミナ) 黒獅子(ジョウ) オルフェス(リチャード) ライラス(サヤ) 鳳雷鷹(レニー) 爆竜(マイク) 初期敵 バンクス(バンクス)×2 シャーマン(シャーマン)×4 ブレイヴ指揮官用試験機(グラハム) GN-XIV(連邦兵士)×6 ライオットB(アーニー) ライオットA(ジン) 初期配置敵の全滅 味方援軍 マップ上部中央 デモンベイン(九郎) ヒーローマン(ヒーローマン) 敵増援 味方援軍下 リベル・レギス(マスターテリオン) ユニットデータ 敵 機体名 パイロット Lv補正 HP 射程(P) 資金 撃破アイテム 備考 初期 バンクス バンクス 1 6300 5(3) 2000 - シャーマン シャーマン 0 3800 5(3) 1500 - ブレイヴ指揮官用試験機 グラハム 3 15600 8(4) 18000 映画「ソレスタルビーイング」 GNフィールドGNドライヴ[T]MDMAP兵器 GN-XIV 連邦軍兵士 0 5000 3(3) 1700 - ライオットB アーニー 2 12400 3(3) 15000 カウンター EN回復L1 ライオットA ジン 2 12400 8(4) 15000 ヒット アウェイ EN回復L1 増援 リベル・レギス マスターテリオン 3 48000 7(4) 15000 名も無き魔導書 オールキャンセラー九郎狙いHP4800以下で撤退 イベント・敵撤退情報等 ブレイヴ指揮官用試験機orライオットAorライオットB撃墜でイベント、シャーマン、バンクス以外の敵は撤退。味方援軍、敵増援。援軍2機は気力120スタート リベル・レギスのHP10%以下or撃墜でイベント、シナリオクリア。 攻略アドバイス GN-X_IVとブレイヴ指揮官用試験機は2000以下のバリア持ち。光波弾や胸部ビームガンなどの牽制武器はクリティカル無しでは無効化される。GN-X_IVに対しては鳳雷鷹のビーム手裏剣は武器の空適正がSなので2000を超える。またエルシャンクの対空ビーム砲はサイズ差で超える。 増援は敵味方全員川北に出現。初期配置からエルシャンクに忍者3人を搭載して川を超えオルフェスと合流しておくと後の展開が楽になる。 主人公は敵専用のステータスのため、事前に養成していても敵としてのステータスには反映しない。 リベル・レギスのHPを減らすにははヒーローマンとデモンベインを隣接させた上で不屈を使った最強武器を叩き込むと楽。ヒーローマンは戦闘前会話があるが、無改造の場合気力差があるとはいえ3800も食らい一撃で撃破される。 3マス離れると使い始める長射程武器が海Cなので爆竜は水中からショルダーキャノンを撃ち込めば被ダメージを大幅に抑えられる。ヒーローマンにも水中にいればバリアで無効化できるが、水中適正がCなうえに、クリティカル発生も考えると精神コマンドに頼るのが一番安心 マスターテリオンの能力の高さもあり、精神コマンドなしでは削るだけでも反撃で相当な被害を受けるので注意。この時点ではまず防御系精神が集中止まりのジョウは一発耐えられる程度なので手出ししない方が良い。 幸い、マスターテリオンは完全に九郎狙いなので、射程内に九郎がいれば他のユニットは狙ってこない。 隠し情報 リベル・レギス&マスターテリオン 九郎がリベル・レギスを撃墜4800以下で撤退するので注意。またオールキャンセラーがあるので装甲値低下 照準値低下などが効かない。反撃でやられないようにHP管理はしっかりと保とう。 九郎だけでは達成できないので援護攻撃は必須 この敵は少々特殊で九郎を狙い続ける 戦闘前会話 初戦闘:ロミナ、ジョウ、レニー、マイク グラハム:リチャード、サヤ アーニー:リチャード、サヤ ジン:リチャード、サヤ マスターテリオン:九郎、ヒーローマン 隣接シナリオ 第3話『I AM PROVIDENCE』 第5話『伝説の忍者』
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『アンタ。支援士に向いてるんじゃないの?』 思っても見なかった言葉だった。 自らの進むべき道。考えた事すら無かった、、、可能性。 『ふむ・・・それで、チカ。お前はどうしたいんだ?』 『父上。私はリア殿の言うように戦いや護衛に向いているのかも知れません。商人殿の馬車を守り、感謝された喜び・・・私の中に残っております』 ――――支援士。 だが、支援士とはなんだろうか? 定義としては、魔物と戦い、人々を救い、上ランクによる絶対的とも思えてしまうような強さ。 その強さこそが、支援士なのだろうか、、、? 支援士は誰しもがEランクからその仕事を始め、支援士資格を得てDランク以上の仕事に挑み Cランクまでは見習いクラスということもあり、実力さえ整っていればBまでは1年~1年半ほどで行ける。 そして、Bランクで第一時ステイ期。続くA、Sのランクへの昇格は慎重に慎重を重ねるという。 よほどの運。よほどの実力。よほどの勤労。それでも、Sまでには10年以上は掛かると算段する。 「、、、という点は、既に理解しているな、智香」 「はい」 空也を前に座る智香は、基礎の基礎の復習から支援士について説明を受ける。 この基本はとても重要だ。故に、毎回の講座で開始にはコレから話し始める事がお決まりになっていた。 ―――支援士ランクを上げる事に急ぐ意味など無い。 自分が自分の適切なランクに居る事が大切なのであって、20代前半~30代後半にかけてAランクの第二次ステイ時期に居る事も良くある話なのだ。 急ぐ事も必要も無い。 急げば、それだけに、力に固執し、力に捕らわれ、力に溺れる。大切なものを失う事だけは絶対にしてほしくない。という空也の心である。 あとは、主に復習であった。 支援士の仕事の請け方。対応の柔軟性。支援士のルールなどなど それらの説明は、通常の講座の半分以下の時間で終わってしまった。 「さてと。以上だが特に質問は」 「いいえ。大丈夫です」 智香の理解が素早いのか空也の説明が良いのか。その辺は定かではないが、少なくとも「何を聞いて良いのか判らない」から「質問は無い」という素振りは智香には無かった。 空也はそれを見て一つ頷き、立ち上がる 「宜しい。では、最終試験として実際に仕事をしてもらうとしようか」 「はい、、、ええ!!?」 智香は頷いた後、初めて聞いたとばかりに驚く 「く、空也殿、まだ心の準備が、、、」 「なに、大丈夫だ。そう身構える事も無い」 空也は緊張に俯く智香を安心させるように告げる。 まあ、どうしても支援士資格を得ていない以上はEランクの依頼しか出来無いわけだ。 「し、しかし、、、」 「ふむ。まあ、初めてとあれば緊張するのも仕方の無い話か」 「、、、若様?」 ふと、コホンと一つ咳払いをしてお茶を持った青年が居心地が悪そうにして居る事に空也は気付いた 「おお。ヤクモ。居たのか」 「居たのか。って、そりゃないでしょう若様」 まあ、笑っているあたりは所詮は冗談。本気ではない。 しかし、続く反撃か、にまーとヤクモは生暖かい笑みを浮かべて空也に言った。 「あまり授業熱心なのは構いませんが。心の準備が出来てないだとか、身構える事も無いだとか、果ては初めてなら緊張するのは仕方がない。ですか? いやいや。羨ま、、ゲフンゲフン。節操はお持ちになってくださいよ。若様」 「・・・・なぁっ!!!」 数秒考え、ヤクモの言葉の意味を理解し、空也は思わず声をあげた。 「ば、馬鹿を言ってないで稽古に戻らないかっ!」 「あー、ですね。お邪魔なようなので失礼します」 「そして妙な誤解をしたまま行くなー!!!」 ヤクモならば問題は無い。問題は無いが。 去っていくヤクモの背を見ながら空也は思った。 、、、、天宮智香。色々な意味で最後まで油断の出来無い弟子である -刀堂家- 「空也殿。こちらは、、、刀堂殿のお屋敷では?」 「ああ、そうだ。既に依頼の方は承っているから、サヤ殿から説明を受けるように」 そう言って、空也は来た道へと踵を返す。 「あ、空也殿!」 「?どうした、智香殿?」 「ここから先は、私一人で、、、?」 「ああ。そうだ」 一つ頷き、だが次には、空也は気楽な笑みをする。 「なあに。自慢になってしまうが、私の直下で学ばせたんだ。智香殿一人で十分に出来るさ」 「はい!」 その空也の言葉に智香は笑顔で返し、 不覚にも、隙だらけな“女の子らしい”笑顔を見せた智香を可愛いな。と、空也は思ってしまった。 、、、まあ、もちろんホタルに対しての想いとはまた別の意味で。 言うなれば、娘に対して抱く思いみたいなものなのかもしれないな。と、空也は思った。 この仕事を通して彼女が“支援士”について理解すれば、彼女が選ぶべき“二つの選択肢が現れる”。 それでもまあ、今は彼女の為に出来る事をするだけである。 剣の柄を撫でて、空也は家路についた道とは別に、天乃家へと足を運んだ。 「ご、ごめんください」 刀堂家の戸を開けて、チカが声をかける。 すると、奥の方から「はーい!」という返事が聞こえて、 その声のした方から女性が現れた。 「こんにちわ。天宮さんの娘さんね」 「は、はひ!! 天宮智香と申します!! よろしくお願いします!!」 緊張でガチガチになっているチカに、女性――刀堂サヤは、ふふっと柔らかく微笑んで、 一歩前に出て、チカに言った。 「そう緊張する事はないわ。ところで、一体どんな用件で来たのかしら?」 「あ! はい! 支援士の仕事を承る為に、空也殿の案内でこちらに参りました!!」 そのサヤの問いにチカは答え、荷物の中から空也の用意した書簡を手渡す。 それにサヤは目を通し、全てを読み終えてから、 「なるほど・・」 と、呟いた。 「あの、ところで私は・・・?」 「ああ、ゴメンナサイね。うちが出した依頼を空也さんが取っておいて、あなたにさせるつもりで居たのね」 「あ、はい!」 チカは内心、来た。と思った。 ようやく、支援士の初仕事の話である。 刀堂家から出ている依頼という事は、鉱物の入手だろうか? 或いは、その鉱物の入手の為の護衛? いいや、どうもサヤも何か出かける風に見える為、その護衛の可能性もありえる。 或いは、刀堂家の長男が家を飛び出した事で、その捜索依頼だろうか? 考えられる仕事をチカは頭に思い浮かべ、サヤの言葉を待った。 「えっと、父が良い鋼鉄を手に入れたくて、出かけているんだけど、私もちょっとクロッセルまで出かける用事があってね」 「はい!」 チカは、予想が当たった事に意気込んだ。 ならば、妥当な線でクロッセルまでの護衛依頼だろうか。 シュヴァルからリックテールまで馬車を護衛した経験もあるし、チカは大丈夫だと気合を入れる。 だが、次のサヤの言葉はチカの予想のどれにも当てはまらないものであった。 「だから、私が帰ってくるまでチカちゃんには家でお留守番をお願いしたいの」 「・・・・・・・・・はい?」 パッポー。と、思わず自宅にあるハト時計が時報を知らせる音が、チカの頭に流れる。 お留守番。主人や家の人が外出をする時にその家を守る事。 意気込んでいたチカの思いとは大きく違った依頼に、チカは思わず口にだした。 「あの・・留守番が、依頼ですか・・・?」 「ええ、そうよ」 にこり。と笑い返すサヤだったが、 チカの頭はすでにぐるぐると回っていた。 サヤは家の中へと入り、「外は寒いから、入りましょう」と、チカを招き入れた。 その導かれるままに入って、案内された座敷に座る。 サヤの方は準備で忙しいのか、「お構い出来なくてごめんねー!」と、チカに声をかけた。 だが、チカは既に沈んだ気持ちで考え事をしていた。 (私に与える仕事が留守番とは――――空也殿、あなたの弟子の天宮智香は、そんなに不甲斐無いのですか・・!!) 考えが迷走し、空回る。 そうしている内に、サヤは準備が整ったのか、玄関から「じゃあ、出かけてくるわね!」と言う声が聞こえた。 それにハッとチカは気付き、 「はーい!!」 と、声を返す。 それを聞いてか、サヤは一拍置いた後に玄関から戸を開け、クロッセルへと向かっていったのが判った。 ―――静かだ。 本当にこれから、サヤが帰ってくるまで留守番をするのだ。 クロッセルまで。と言う事は、どれだけ早くても帰ってくるのは夜だろう。 気を利かせてくれたか、サヤは出来る限りチカの暇が無いように 座敷には新聞と首都から来た本―――小説というらしいが。それが置いてあった。 しかし、チカは“人様の物に手をつける”という事が出来ず、出来ることと言えば、 (・・・黙祷と剣の手入れでもしていよう) そう思って、チカは剣を抜いて手入れを始めた。 ・・・・・が、 (や・・・・やる事が無い) それから二時間。黙祷と剣の手入れを行ったが、それで手持ち無沙汰となってしまった。 ぽふ。と座敷に横になり、チカは天井を見上げる。 きっと今頃、竜泉道場の先輩の剣士達は、自らの、そして竜泉の剣を極める為に、修練をしているのだろう。 猛る声。響く足音。それらを、簡単に思い出す事が出来る。 チカは、キュッと顔を引き締め、腕を上げて構えの体勢を取る。 ・・・もちろん、寝転んだまま。 自分は道場に居るワケでもなく、こうして留守番で暇をしているのだ。 構えた手を広げて、ぽすっと畳に落とす。 (・・・何を、やっているんだろう・・・私は) ごろりと、横向きになり、チカは考える。 だけども、まるでその考えを打ち切らせるかのように、 刀堂家の玄関より、ノックの音が聞こえた。 そして、 「ごめんくださーい!」 聞き覚えのある声も。 それに起き上がり、チカは玄関へと向かう。 「はい!」 チカの返事に、戸越しに――予想外に、二人居た――その人物は、名乗りをあげた。 「竜泉道場の者でヤクモと申します」 「あ、はい!」 戸をあけると、そこに居たのは名乗り上げた先輩であるヤクモと、 「チカちゃん。ごくろうさま」 「ほたる殿!」 その横に居たのは、天乃ほたる。その人だった。 ほたるとは、初顔合わせこそ(ほたるにとっては)衝撃だったとはいえ、 空也との修練中に差し入れする時などに話をしたりして、友好関係を作っていた。 しかしヤクモとほたるとは、各も珍しい組み合わせだが、一体どういう用事なのか チカはヤクモの方を見ると、彼は照れたように頭を掻いた後、 「あー。首都の方ではレディファーストと言う言葉があるそうじゃないですか。先にほたる殿の用事からどうぞ」 と、似合わない言葉を言っていた。 それはチカもほたるも失礼ながら思ったのか、くすっとお互い笑った後で、ほたるは微笑んで言った 「ありがとうございます。それじゃあお言葉に甘えて・・・チカちゃん、お願いがあるのですけど」 「あ、はい。なんでしょうか?」 「手を、見せてくれませんか?」 ・・・その奇抜なお願いに、チカは首を傾げた。 人の手をみて、ほたるは一体どうすると言うのだろうか。と 「はあ・・どうぞ」 ただ、意味は判らなくとも、ほたるのお願いであるし、 見られたから減るというワケでも、まして噛み付かれる事なんか絶対無いだろうとチカは思い 両手をほたるに差し出した。 「・・・・・・・・」 そんなチカの手を、じっと見つめるほたる。 それから、3~4分ほど見て、ほたるはようやくチカの手を離した。 「ありがとう。あと良かったらチカちゃんの演舞を見せてくれると嬉しいんだけど」 「あ、それでしたらお安い御用ですよ」 タンッと、軽い足で外に出て、少し開けた場所に立つ。 そのまま、剣を抜いて静の構え。そこから、剣閃。そして、ゆっくりと静の構えに戻る。 そんなチカの演舞を、ほたるは真剣な目で・・・剣舞が終わるまでの五分。じっと見続けた。 「以上です。これで良かったのですか?」 「ええ。ありがとう。わたしの用事は以上です」 にこりと笑うほたるに対し、ふぅっと一つ息を付いて、チカは一つ頷いた。 ・・・よく判らないが、彼女が満足したのなら、それで良しとしよう その一方で、ゴホン。とわざとらしい咳払いが聞こえた。 「あのー。微妙に忘れられてますか?」 「い、いえ! それよりも、ヤクモ殿の用事とは??」 ヤクモの言葉に、主に図星という意味でチカは内心ドキッとしたが、 慌てて言葉を繋いで、先輩剣士の顔を立てた。 だけども、そんなおふざけとは一変して、ヤクモは真剣にチカへと話し始めた。 「いえ・・・実は、さきほどこの近くで殺しがありまして。近隣の住民に注意を呼びかけているんです」 「な、なんですって!!」 そのヤクモの言葉に、チカの正義が燃え上がる。 殺し。それは、人の命の灯火を消し、その人が持っていた可能性も未来も奪い。 それだけでなく、その殺された人物の家族も悲しませる。・・・犯人は、絶対悪。 そんなヤツがのうのうと徘徊している事は、チカは何より許せない。 「調査団が今竜泉道場で組まれておりまして、直ぐに犯人を捕らえるつもりです。発令が出るまでは戸締りをきちんとして、外出を控えてください。それでは、失礼します」 そんなチカの内心を知ってか知らずか、ヤクモはそれだけ告げて、 ほたるを護衛する形で刀堂家を後にする――――が、 「ま、待って!!」 「お? チカ殿、どうしましたか?」 チカは、ヤクモを呼び止め言いたかった言葉があった。 あった、だが・・・・ ――――私も調査団に入れてくれ! ・・・しかし、言えなかった。 空也から支援士についての修練を行う前の自分なら、間違いなく一直線に調査団に参加していただろう。 しかし、今は一歩立ち止まり考える事を学んでいる。 もし調査団に参加をしたら、刀堂家の留守番はどうなる? チカは、悩んだ。 不届き者が徘徊しているというのに、ただ自分はのうのうと刀堂家の留守番をしていればいいのか? しかし、調査団に入れば刀堂家は留守になってしまう。 だが、留守番程度の事で大事件の絶対悪を見逃せと言うのか? めぐる考えの中・・・チカは、絞るような声で、ヤクモに言った。 「・・・無理は、なさらぬように」 そして、ヤクモに伸ばした手を、ゆっくりと下ろした。 「・・・はい。お気使い感謝します」 「あ・・・チカちゃん、またね」 二人は、微妙な態度でチカを・・刀堂家を、後にした。 それはそうだろう。 去り際のチカは、悔しさを堪えるように俯いて歯噛みし、 溢れる犯人に対しての怒りを押さえつけていたのだから。 「・・・入ろう」 誰も居ない外は寒いだけで用は何も無く、 ポツリとチカは呟いて、刀堂家の座敷へと戻った。 座って、チカは悔しがった。 (もし、もしも私が空也殿みたいな力を持っていれば・・・!!) そう。空也程の力があれば、こんな留守番任務ではなく、もっと別の・・・例えば、魔物討伐依頼などを受けているだろう。 その仕事を手早く片付けて、きっと調査団の方にも行けるだろうと、チカは思っていた。 しかし、今のチカに与えられたのは、刀堂家の留守番である。 ただそんな仕事に縛られて悪を滅ぼせぬ自分。それが、堪らなく嫌だったのだ。 「ただいま」 「! おかえりなさい」 何かあった時、直ぐに起きれるようにチカは仮眠をしていたが、 外は暗くなり、夜の帳を見せていた。 そして、玄関からの戸が開く音と、聞こえた声に、チカは挨拶をし返す。 「ご苦労様。ちょっと待ってて頂戴」 「あ、はい」 座敷に顔を見せたサヤが、荷物を置きに行ったのか、奥に行き、 そして、座敷の方へと戻ってきた。 「チカちゃん、ごくろうさま」 「い、いえ・・そんな、私は、結局なにもしていません・・」 俯いて、チカは答える。 (そう・・私は、何もしてない・・・) しかし、その言葉にサヤはゆっくりと首を横にふって、チカの俯いた顔を覗き込んで微笑んだ。 「いいえ。チカちゃん。最後までお留守番してくれて、どうもありがとう。とっても助かったわ」 そして、にこりと心から安心した笑顔を見せるのだった。 それを見て、チカは「あ・・」と、声を漏らした。 ――――チカは一つ気付いた。 それは、今日の朝からつかえていた胸の奥にあった重いものが、軽くなったようで・・・ 「じゃあ、留守番の依頼は大丈夫よ。今書簡を渡すからちょっと待ってて」 「は、はい!」 立ち上がったサヤがそう言って戸棚を開けて一つの封書を手に持つ。 きっと、あらかじめ用意しておいたものだろう。それを、チカに手渡した。 「これは・・?」 疑問顔をするチカに、サヤは笑って答える。 「それは、支援士が仕事を無事に成功しました。という事を証明する書簡よ。それを持って酒場に行けば仕事は成功で終わるの」 「あ、はい」 「でも、今は空也さんに報告ね。酒場に持っていくのは次回以後、かしらね」 ふふ、と笑うサヤにチカは一つ頭を下げて、座敷を後にする。 サヤも、チカの後について、一緒に玄関まで来た。 「じゃあ、今日は本当にありがとう。また遊びに来てね」 「はい!」 サヤに見送られて、チカは竜泉へと向かう。 この初仕事の報告、それを、空也に行う為に。 「ただいま戻りました」 「おお、ご苦労様。チカ」 夜と言う事もあり、空也の部屋に通されて、 チカは正座をしながら襖を開けて、そのまま中に入り、一つ礼をした。 それに空也は苦笑いを浮かべて、困ったような口調でチカに言った。 「毎度毎度だが、別にそこまで堅苦しく居る必要はないだろう?」 「は、はい・・」 空也の言葉にチカは恐縮する。これもいつもの事なので、空也はもう大して気にしない事にしようとは思った。 チカは、本題に入ろうとすっと背を伸ばして座り、書簡を前に出す。 「刀堂家の留守番の任務。無事に終わらせました。途中の来訪者は二名。ヤクモ殿とほたる殿です。それ以外は特に何もありませんでした」 「ふむ、そうか」 証書を開いて、空也は一つ頷き、「留守番の任務は合格だ」とチカに言った。 その証書を折りたたんで封の中に居れ、机の上にスッと置いた。 そしてチカのほうに向き直り、空也は「さて」と切り出した。 「チカ、お前はこの依頼で何を感じた? ・・・いや、少なくとも『何も感じなかった』という事は無いはずだ」 「!!」 まるで見透かされたような言葉に、チカはハッと息を呑んだ、 そう――― 「例えば、なぜ“留守番などを私にやらせるのか”。違うか?」 「!!」 これも。 チカは顔を上げて、空也の顔を見る。 だけども、空也は穏やかに笑みを浮かべ、相変わらずの優しい口調である事は違いなかった。 それを見てチカは頭を下げて、空也に白状をした。 「はい・・仰る通り、私は、どうして留守番などという大した用事でも無い事を私にさせたのか。 そして、在ろう事か“空也殿にとって私というのはそこまで不甲斐無い存在であったのか”とも思いました。申し訳ありません」 「・・・」 チカの言葉を汲み取るように、空也は目を閉じて言葉を良く聞き、 そして、そのチカの言葉に、空也はゆっくりと首を振って言葉を返した。 「いいや、ある意味。私とて、チカがそう思うように仕向けた事は否定出来ぬ。それほどに簡単な依頼を私は今回の為に探して選んでいたからな」 「はい」 「そして、チカがそんな大した依頼ではないと思う中、私は一つお前を試したのだ」 「え・・試す? まさか―――」 そう、空也の言葉。“試す”という事。 それは、間違いなくあの事だろうと、チカは一つ思い当たった。 そのチカに応えるように、空也は一つ頷いて、チカの言葉に答えた。 「そうだ。街中で殺しがあった。というもの。お前ほどの正義感の強い娘ならば、ひょっとしたら調査隊へ入ると言い出すのではないかと思っていたが、どうやら杞憂だったようだ。 もしも調査隊へ入る事を希望すると言う事は、刀堂家の留守番の依頼を放棄した。という事になるからな。 ・・・支援士にとって、依頼の放棄というのは、依頼を失敗する以上に重い。仕事をする際にも、今後その背中には“依頼を放棄する支援士”というレッテルが貼られ、 その汚名を返上するには並大抵の努力ではない。或いは、そんな経歴の傷を好んで中傷する不届き者が支援士の中に居る事も事実だ。 ――――私の友人であるブレイブマスターは、嘗て『アリスキュア殺しの』という汚名を背負った支援士だった。 今でこそ彼は『聖女の守』『冥氷剣』と讃えられる有名支援士であるが、 そんな彼の話から私は良く察している――――支援士にとっての汚名とは、それだけ重く辛い物なのだ」 「あ・・・・」 そう。チカは殺しを行った不届き者を追うことと刀堂家の留守番を預かる依頼の二択を究極の選択としていた。 だが、冷静に考えれば選択肢など“刀堂家の留守番”しか無かったのである。 チカの何か理解した顔に空也は一つ頷いて、再び口を開く。 「仮に本当に殺しがあったとして、調査隊が編成されるとしよう。 しかし、その調査隊にチカ。お前が入ったところで調査員が一人増えただけでしかない。 それは何も、絶対にお前でなければならない。という必要性はどこにも無いんだ。 だが、刀堂家の留守番はどうだ? その依頼をサヤ殿から頼まれ、遂行するのは ヤクモでも無ければ私でも無い。他ならぬ“天宮智香”でなければならないのだ。判るな?」 「・・・はい」 チカは、空也の言葉をかみ締めるように心に刻み、その一言一言を汲み取る。 或いはサヤならば、そんな事情があったなら。とチカの気持ちを汲み取ってくれるだろう。 しかし、世の中良い人だらけではない。 如何なる事情があったとしても、頼んだ相手が“最後まで責任を持って仕事を行う”事が礼儀であろう。 その事を、一時的とは言え失念していた事を、チカは恥ずかしんだ。 「まあ、ひとまずその事は深く理解したようだな」 「はい」 空也は、チカの真っ直ぐな言葉に満足そうに頷いて返し、 そして、まだ真面目に話を続ける。 「だが、チカ。私はまだお前から“この仕事についてどう思ったか”。それをまた聞いていない。 初めに報告したように、“どうして留守番などという大した用事でも無い事を私にさせたのか。”だけで考えが終わったワケではあるまい?」 「はい」 続くチカの言葉に、空也は耳を傾ける。 「まだまだ未熟ではありますが、私は最後の最後まで空也殿がこんな依頼をさせた真意が判りませんでした。 空也殿の私への信頼はこの程度でしかないのか。そう最後まで思い、自己嫌悪をしておりました。 ですが、サヤ殿が帰宅し、依頼の達成を果たす間際、ようやく私は気付くことが出来ました。 サヤ殿の安心した笑顔。感謝の言葉―――それを見た瞬間。私がどれほど未熟か、思い知らされました」 「ほう・・・」 「そもそも、“たかだか留守番程度の依頼”。という考えこそが、私の驕りだったのです。 そんな価値観は、私の主観でしかありませんでした。 ――――考えてみれば、刀堂家は片刃剣を打つ鍛冶師でも著名を持つ家。 その刀の一本でも盗まれてしまえば、その損失は計り知れず。 また不届き者の鍛冶師が、嫉妬で留守を狙い刀堂家を放火する可能性も捨て切れません。 “家を空にする。”という事が、サヤ殿にとってどれだけ心の重荷になる事だったか。 私にとっては下らないと思っていた留守番も、サヤ殿にとってはそれだけ重要な意味を持っていたのです」 「・・・・」 チカの熱い言葉と、真っ直ぐに空也を見る迷い無き瞳。 少なくとも、その思いに嘘や陰りは映っていなかった。それほどまでに澄んだ瞳。 空也はしばし沈黙を守り、チカを真っ直ぐに見つめ返した。 ・・・空也は、内心で微笑んだ。 それは、空也の予想を遥かに超えたチカの成長ぶり。それが、空也にとって何よりも嬉しい事だった。 「宜しい。その通りだ。 風の短剣が見つかり、支援士という職業がメジャーになった頃。同じくしてそれに従うよう・・・チカ、お前と同じように“支援士”という職業に“憧れる”者達が現れ始めた。 高みを目指し、ランクを上げ、力を身につけて、 また、その力を証明するかのように華麗に魔物を倒し、人々を守護する正義 そして、数々の伝説を作り上げる屈強の支援士。 ・・・しかし、それは大きな間違いだ。 我々支援士という職業は名の通り、依頼主を支え、援護する者の事を言う。 勿論、依頼が魔物退治や護衛というのもある。それこそ、難題の依頼を解決すれば名も広まろう。 しかし、留守番や店番。ネズミ退治など、“憧れの支援士”からかけ離れた地味な仕事の方が圧倒的に多い。 そういった仕事ばかりをやる事で、支援士を志した心との違いに夢見ていた者達はそれを止めてしまう。 チカ。依頼の中には必ず、お前が“何でこんな依頼を・・”と、思うような事も多くやる事となる。 それこそ、依頼主とお前の正義が食い違う事も多い。 支援士とは、綺麗事だけで勤まる仕事ではないのだ。 チカ・・・お前には、支援士になる前に“支援士とは何か”という事を正しく知って欲しかったのだ。 最後の最後に、お前の憧れを壊すような真似をしてすまなかった」 そこまで空也が語って一つ頭を下げた後、 チカは慌てて恐縮し、空也へと頭を下げる。 「そ、そんな勿体無いお言葉!! 空也殿、顔を上げてください!!」 「ああ・・すまないな」 そんな慌てるチカに、空也は一つ微笑んだかのように息をついて、 優しく言葉を続けた。 「ならば、チカ。お前に一つ問いたい。 支援士になる。という理由で確かにお前は私の元で修行をし、学んだ。 しかし、だからと言って道は一つとは限らぬ。 “絶対に支援士になれ”。とは、誰も強制しない。 私の話から、支援士というのが、魔物を蹴散らし、民を守る華々しい絶対正義の存在。というお前の憧れとは離れていた事が判ったハズだ。 ・・・貴族の出す依頼の中には、自らの旅路を絶対安全とする為に、街道に居る魔物の殲滅を依頼してくる事もよくある話だ。 そんな外道な依頼も、依頼主の意向とあれば放棄出来ず、例え自らの正義に反しようとも遂行する事も常と言えるだろう。 それでも、支援士を目指すのか? 再度言うが―――道は決して支援士だけではない。私の家で剣の道を進み、お前の父と同じく警護団に所属するのもまた一手だろう」 「いえ」 チカは、空也の言葉を切るように、短くハッキリと告げた。 その言葉は、何も判っていない箱入り娘の無謀などではない。 “天宮智香”の意思。言葉。それが、ハッキリと備わっていた。 「ご助言は感謝いたします。しかし、私は支援士の道を選びます」 「ほう・・その心は」 空也は、興味深そうにチカの言葉に その判断に、聞き返した。 空也の問いに、チカは一つ頷いてハッキリと答える。 「確かに空也殿の―――先輩である支援士の方が、そう言っているのであれば、間違いないでしょう。 これから、留守番や店番、ネズミ退治のような地味な仕事も行う事になりましょう。 しかし――――」 言葉を切って、にこりと。 チカは、剣士の顔ではなく、少女の顔で笑顔を向けて。 「例え、どんな依頼であったとしても、サヤ殿の心の支えになれたように、 私が依頼を果たす事で、依頼主の心が支えられるのであれば 私は、支援士を続けていようと、そう思ったのです ・・・無くした財布を見つけてくださったリア殿の行動が、私の心を支えてくれたように、 私も、支援士の依頼を通して、支えて行きたいのです」 「・・・・」 不覚にも、空也はそのチカの表情に、惹かれた。 本当に、空也が抱えるのも難しい程に、弟子は大きくなったのだ。 ・・・或いは、チカにとっては、竜泉道場すらも狭いのかも知れぬな。と、空也は一人思った。 それが、不思議と悔しくなく。思わず笑みが零れるほどに嬉しかったのである。 ならば、空也がこれ以上何かを問いたてるのは無粋と言うもの。 彼は力強く一つ頷いて、ハッキリと告げた。 「よし。チカ・・・お前の想い。しかと受け止めた。ならば本日の依頼に対する報酬と共に、“正規支援士認定推薦状”を渡そう。 それを持って、近い内に支援士認定登録を行うんだ」 「!! く、空也殿!! ありがとうございます!!」 そこでチカは顔を輝かせ、空也に抱きついた。 思わぬ行動に空也は驚き、目を白黒させたが、ふと思い出す。 天宮竜三郎と酌を交わした時の話だ。 『アレはまだまだ甘えん坊だ。普段は堅い・・・そうだな、書物にあるような“サムライ”を気取っているが、まだまだ子供だ』 (ああ。嬉しさの余り理性が飛んで素が出たか) ふぅ。と一つ息を付いて、甘えてくるチカの頭をそっと撫でる。 しかし・・・・そう、ちょっとした油断、過信、慢心が己の命を奪う。 部屋の入り口に立つ気配が、手に持っていたモノを取り落とし、それがガシャンと音を立てる。 「あ、あ・・・あの、空也さん・・・」 「な!? え、あ、ほたる殿!!??」 「・・・若様。例の件が完成したということでほたる殿をお連れしたのですが・・・」 そのほたるの後ろからは、ヤクモが。 その二人が部屋の中を覗き込んで、とたんに硬直する。 何も硬直していたのは二人だけでなく、 当人である空也が一番固まったのではないだろうか。 ただこの空間で唯一平常に居たのは、原因である天宮智香のみだった 「あ、あの・・・わ、わたし・・・空也さんに頼まれていた片刃剣をお持ちしたんですけど・・・やっぱり二人がそんな関係だったなんて知らなくて・・・あ、それよりも、わたし再びお邪魔ですよね。し、失礼します!!」 そうして、顔を真っ赤にして走り去るほたるに、 「・・・若様。お邪魔いたしました。どうぞごゆるりと・・・」 すすす。と襖を閉め、その場を後にするヤクモ。 そして、パタンと襖が閉じた音で、空也は硬直の呪縛から解かれ 空也は、夜に向かい叫んだ。 「だから誤解だああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!」 「それでは、父上。母上。行って参ります」 「チカ・・無茶しちゃダメよ」 「はい。生まれてこれより。母上に愛されたこの身。粗末には致しません」 旅立ちの朝。 天宮家の前で、チカは両親に挨拶を交わしていた。 ・・・何も、誰かが死ぬから、最後の挨拶というワケではない。 それでも、しばらくは支援士の旅に家を開けるのだ。 母を寂しがらせ、心配させる事を申し訳なく思うも、 それでも、何も言わず見送ってくれる母の気持ちを無駄にしたくはない。と、チカは明るい顔を見せた。 その一方、父が一歩前に出てチカに言葉を向ける。 「チカ。この旅はきっとお前を大きく成長させるだろう。 辛いこと。苦しいこと。それこそ嫌になるほど、その身に降りかかる事になるだろう。 だが、お前が強い事は誰よりも私たちが知っている。信じている。 だから、思い切りお前のしたいように旅をして来い! そして、どうしても寂しくて辛くなったら、いつでも迎えられるよう準備をしておくさ」 「・・はい!」 この言葉に、チカは思わず涙を流しそうになった。 だが、涙など旅立ちに相応しくない。 チカは力強く一つ頷いて、 「それでは、行って参ります」 「ああ。頑張って来い」 両親に背を向けた。 その先に居るのは、 「チカ。これから支援士として歩む道。しっかりと踏みしめて歩くと良い」 「はい。ありがとうございます、空也殿。・・・いや、師匠」 そう切り出す空也。ヤクモ。ほたる そして、お世話になった道場の先輩達。 「チカちゃん。これを持って行って」 「これは・・・!!」 「私の打った剣。“天宮羽(テングウ)”」 そして、ほたるが一歩前に出て来て、チカにその手の物を渡した。 それは、一振りの片刃剣。その片刃剣を握った瞬間、その驚くほど手に馴染む感覚に、チカは驚いていた。 それこそ、自分が自信を持って“天宮智香の剣である”と言える程に 驚くチカに、もう一人ほたるの隣に立って、激励を送る人物・・・空也が、語りかけた。 「しかし、片刃剣は剣の修練を十分に行わぬ内に使うのは危険だろう。しばらくは前から持っていた剣を使い、剣を学べ。 そしてチカ。お前がその天宮羽を振るった時、立派なブレイブマスターと言える」 「空也殿・・・」 「そして、私からはこれだ」 そして、空也が手渡したのは一つの巻物・・・ 「これは・・・?」 「その巻物には、奥義が記されている」 「!? お、奥義書・・!!」 その巻物・・奥義書をもう一度見て、チカは息を呑む。 竜泉の奥義書。それがこの手にある事。 しかし、驚くチカに空也は「あー・・」という少し困ったかのような声を出して、 「と言っても、そこに記されている奥義は竜泉の物ではない」 「は、はぁ・・・?」 「そこに記されているのは“縮地破凰連牙”。竜泉改天宮流奥義だな。 その効率の良い攻撃の流れ、コツや気をつけるべき点、気付いた所を幾つも記した」 「あ・・・」 そう。それは一度だけ空也に見せて失敗したあの技。 あの技を見せた翌日から、空也は良く十六夜のアルティア教会に足を運んでいたのを思い出した。 縮地とは、風の力を用いて一度に距離を詰める竜泉の技である一方、 その縮地の鋭さが増せば増すほど、それを失敗した時の反動は恐ろしいものである。 きっと、この奥義書を作る・・・即ち、チカの為に、空也は弟子を心配させぬよう人目に着かぬ所で何度も縮地破凰連牙を完成させようとその身に縮地の反動を受けていたのだろう。 そうまでして空也が自分の事を見てくれていた事に、チカは感極まった。 「空也殿・・ありがとうございます! 必ず、この縮地破凰連牙。天宮智香の物としてみせましょう!」 「うむ。精進することだ。 今後の事だが・・・まずはシュヴァルを目指してみてはどうだ? そこに私の知り合いが居る。 私の名を出せば、快く協力してくれるだろう 或いは、一気に首都まで行くのも良いだろう」 「はい!」 そうした挨拶を、先輩の剣士達とも交わし、やがて馬車の方から声が掛かった。 出発の時。チカは振り返り手を振って、 「それでは!! 達者で!!」 「チカちゃん! 元気でね!!」 「チカ! ブレイブマスターになり、奥義を身につけた時。その姿をまた見せに来てくれ!」 「はい!! 必ずや!」 そうして馬車に飛び乗り、クロッセルを経由してまずはシュヴァル。 前に軽い旅行をしたのとはまた違う、 天宮智香の支援士の道が始まる。 -闇- 「・・・ゲイズ殿」 「むふふふ。よく帰ってきました。して、成果の程は?」 暗い闇。あまりに暗く、どこか判らぬ所 そこに、二つの声が聞こえた。 「・・・それが、支援士達は壊滅。“姫”は行方をつかめなくなりました」 「なんですと!? 屈強な支援士を雇ったと言うに・・・それほどの部隊を“姫”が持って居るとは思いがたいのですが」 「それが、辛うじて逃亡出来た支援士の報告によれば、黒髪の女ただ一人との事で・・・なんでも、丸腰が剣を振るうかのような動作をするだけで支援士が瞬く間に消滅してしまったそうで」 「なっ・・・!」 ゲイズ。と呼ばれた男が、初めて動揺を見せる。 揃えたのはB級支援士だらけとはいえ、数が居た為Sランク支援士も余裕で潰せる勢力だったはずだ。 それを潰す力と“消去する力”。それを事前の知識として警戒していないゲイズではなかった。 「待て・・黒いコートを着た白い刃の黒い剣を持った男は居たか?」 「は・・・? それは、伝記のセイジ・T・フォースの事で・・・?」 「良いから居たのか!?」 ゲイズの叫ぶような声に、もう一人は慌て、報告をする。 「はっ!! 報告には無かった為、目撃した者は居ないかと!!」 「ふむ・・・」 その報告に満足したのか、ゲイズは荒げていた態度を一変させた。 「なにやら、“セイジ”を“姫”が呼び出した報告も受けましたが それと同時にオースで小僧が一人か・・・」 「はい。それを連れたのはリア・スティレットというC級支援士。 手助けを演じ情報を入手した為間違いありません。 また、あの小僧も目覚めるまでは荷物でしょうから押し付けてきたようですね」 「ふん・・・小物ですか。ならば心配ないでしょうな」 吐き捨てるようにゲイズは言って、 再び悦の入った声でもう一人の人物に命じた。 「小僧の事は後回しで構いません。まずは“姫”を探りなさい。場合によっては支援士を捉まえて依頼なさい」 「はっ!!」 そうして立ち去る人物と入れ替わりに、別の人物がゲイズの前に来る。 「報告します。小僧を連れたC級支援士リア・スティレットは・・・A級支援士ティール・エインフィードと接触。共に行動をし始めました」 或いは、それが最悪な報告である事をその人物は理解できていたのだろう。 ティール・エインフィードといえば、支援士の中でも有名な方に入るハルバードを使う少女。 それと共に“現れた小僧”が居るのでは、小僧と接触する事が困難になる。と しかし、その思惑とは逆に、ゲイズは「むふふふふ」と愉快そうな声を上げていた。 「なるほど。ティール・エインフィードですか。どちらにせよ、私にとっては小物。小物も良い所です。 A級支援士ですか・・・確かにお強いです。きっと“普通に相手にするならば”彼女専用の対抗部隊を組まなければなりません。 しかし・・・・」 だが。「しかし、」の後をゲイズは口にする事無く ただ延々と 「むふふふふふふふ!!!!」 と、笑い続けるのであった。 ――――Next to....?
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デッキが風4・光1だと自身のATK/DEF[特大]アップ 海道一 今川義元 RR+ 風 日本 28 5150 5500 駿河シュート! デッキが風4・光1だと自身のATK/DFE[極大]アップ 桶狭間 アリス RR 風 欧州 32 5280 5280 ミステリーランド [極意]直前のキャラが勝っていると相手のATK/DEFダウン ふしぎ アリス RR+ 風 欧州 32 6080 6080 ミステリーランド [極意]直前のキャラが勝っていると相手のATK/DEFダウン アリス カード名 レアリティ 属性 地域 コスト 攻 防 スキル名 スキル効果 称号 アイザック R 風 欧州 24 3200 3280 ニュートン力学 相手の地域がアジアだと相手のATK/DEF[大]ダウン - アイザック R+ 風 欧州 24 - - ニュートン力学 - - 安倍晴明 R 風 日本 22 2930 3010 退魔殲滅陣 相手の属性が闇属性だと相手のATK/DEF[特大]ダウン 陰陽師 安倍晴明 R+ 風 日本 22 3370 3460 退魔殲滅陣 相手の属性が闇属性だと相手のATK/DEF[特大]ダウン - ノーベル R 風 欧州 20 2660 2740 ダイナマイトファイアー 相手の属性が火属性だと自身のATK/DEF[中]アップ - ノーベル R+ 風 欧州 20 - - ダイナマイトファイアー - - パブリ=ピカソ R 風 欧州 18 2420 2440 ゲルニカ投影 相手の性別が女だと自身のATK/DEF[中]アップ 神画家 パブリ=ピカソ R+ 風 欧州 18 2780 2820 ゲルニカ投影 相手の性別が女だと自身のATK/DEF[大]アップ - ジャンヌサヤ R 風 欧州 16 2130 2190 トリ・ラクア 相手のコストが20以上だと自身のATK/DEF[大]アップ 聖人 ジャンヌサヤ R+ 風 欧州 16 2440 2520 トリ・ラクア 相手のコストが20以上だと自身のATK/DEF[中]アップ - モーツァルト R 風 欧州 14 1860 1920 魔笛 相手の属性が土属性だと相手のATK/DEF[中]ダウン - モーツァルト R+ 風 欧州 14 2140 2200 魔笛 相手の属性が土属性だと相手のATK/DFE[大]ダウン - ウィル=ライト R 風 北米 12 1560 1680 空への絆 ベッキー=ライトがいると自分のATK/DEF[大]アップ 飛行士 ウィル=ライト R+ 風 北米 12 1800 1930 空への絆 ベッキー=ライトがいると自分のATK/DEF[特大]アップ 飛行兄 ベッキー=ライト R 風 北米 10 1340 1380 空への絆 ウィル=ライトがいると相手のATK/DEF[大]ダウン 飛行者 ベッキー=ライト R+ 風 北米 10 1540 1590 空への絆 ウィル=ライトがいると相手のATK/DEF[特大]ダウン 飛行妹 紫源氏 R 風 日本 20 2980 2980 夕霧の幻 時間が16 00~18 59だと相手のATK/DEF[大]ダウン 歌人 紫源氏 R+ 風 日本 20 3430 3430 夕霧の幻 時間が16 00~18 59だと相手のATK/DEF[特大]ダウン 歌仙 葛飾北都 R 風 日本 26 3460 3560 凱風快晴 曜日が土曜日か日曜日だと相手のATK/DEF[大]ダウン - 葛飾北都 R+ 風 日本 26 3460 3560 凱風快晴 曜日が土曜日か日曜日だと相手のATK/DEF[大]ダウン - 玄奘三蔵 R 風 アジア 26 3560 3460 天竺の教え 曜日が月曜日か火曜日だと相手のATK/DEF[大]ダウン 三蔵 玄奘三蔵 R+ 風 アジア 26 4100 3980 天竺の教え 曜日が月曜日か火曜日だと相手のATK/DFE[特大]ダウン 玄奘 黒田如水 R 風 日本 26 3330 3690 影からの指令 時間が21 00~23 59だと相手のATK/DEF[特大]ダウン - 黒田如水 R+ 風 日本 26 - - 影からの指令 - - 雑賀孫市 R 風 日本 24 3360 3120 八咫烏の狙撃 曜日が木曜日だと自身のATK/DEF[特大]アップ - 雑賀孫市 R+ 風 日本 24 - - 八咫烏の狙撃 - - 猿飛佐渡子 R 風 日本 24 3120 3360 真田の十勇士 霧隠才蔵がいると自身のATK/DEF[特大]アップ - 猿飛佐渡子 R+ 風 日本 24 - - 真田の十勇士 - - 霧隠才蔵 R 風 日本 23 2990 3220 霧隠れの幻影 デッキが風属性5枚だと自身のATK/DEF[大]アップ - 霧隠才蔵 R+ 風 日本 23 - - 霧隠れの幻影 - - NARIHIRA R 風 日本 27 3640 3650 ちはやぶる [修練]相手の性別が女だと相手のATK/DEFダウン - NARIHIRA R+ 風 日本 27 - - ちはやぶる - - ヨハネ=ゲーテ R 風 欧州 27 3510 3780 魔王の交響曲 [修練]相手の属性が闇属性だと相手のATK/DEFダウン 独詩人 ヨハネ=ゲーテ R+ 風 欧州 27 4050 4340 魔王の交響曲 [修練]相手の属性が闇属性だと相手のATK/DEFダウン 劇作家 竹山かぐや R 風 日本 26 3640 3380 月からの加護 曜日が月曜日だと相手のATK/DEF[特大]ダウン かぐや 竹山かぐや R+ 風 日本 26 4190 3900 月からの加護 曜日が月曜日だと相手のATK/DEF[滅大]ダウン 竹取姫 カード名 レアリティ 属性 地域 コスト 攻 防 スキル名 スキル効果 称号 ミケラン=ジェロ N 風 欧州 20 1900 1900 ダビデフォース 一定確率で相手のATK[小]ダウン 彫刻家 ミケラン=ジェロ N+ 風 欧州 20 2200 2200 ダビデフォース 一定確率で相手のATK[中]ダウン 彫刻王 秋利千秋 N 風 日本 18 1700 1720 宇宙からの光 一定確率で相手のATK[中]ダウン 宇宙士 秋利千秋 N+ 風 日本 18 1960 2000 宇宙からの光 一定確率で相手のATK[小]ダウン 宇宙王 ルーシィ=ベイブ N 風 北米 16 1520 1520 ホームランキング 一定確率で相手のATK[小]ダウン 野球王 ルーシィ=ベイブ N+ 風 北米 16 1760 1760 ホームランキング 一定確率で相手のATK[中]ダウン 野球神 浅井茶流 N 風 日本 14 1320 1320 大阪の風 相手の属性が風属性だと相手のATK/DEF[小]ダウン 側室 浅井茶流 N+ 風 日本 14 1520 1560 大阪の風 相手の属性が風属性だと相手のATK/DEF[中]ダウン 淀殿 二宮和葉 N 風 日本 20 1620 2180 毎日お勉強 一定確率で相手のDEF[小]ダウン 思想家 二宮和葉 N+ 風 日本 20 1620 2180 毎日お勉強 一定確率で相手のDEF[中]ダウン 金次郎 平賀原二 N 風 日本 12 1120 1160 えれきてる 一定確率で相手のDEF[小]ダウン 絡繰師 平賀原二 N+ 風 日本 12 1280 1360 えれきてる 一定確率で相手のDEF[中]ダウン 絡繰王 ヴィルヘルム=レント N 風 欧州 10 940 960 レントゲンガンマ 一定確率で相手のDEF[小]ダウン 超X ヴィルヘルム=レント N+ 風 欧州 10 1080 1120 レントゲンガンマ 一定確率で相手のDEF[中]ダウン レントゲン フレディ=ショパン N 風 欧州 8 760 760 春のロンド 一定確率で相手のDEF[小]ダウン ロマン派 フレディ=ショパン N+ 風 欧州 8 880 880 春のロンド 一定確率で相手のDEF[中]ダウン 詩人 夏目琥珀 N 風 日本 20 1800 2000 おかえりなさいませ 一定確率で相手のDEF[小]ダウン 名作家 夏目琥珀 N+ 風 日本 20 2100 2300 おかえりなさいませ 一定確率で相手のDEF[中]ダウン 吾輩猫 徳川水戸 N 風 日本 18 1460 1960 印籠の力 時間が16 00~18 59だと相手のATK/DEF[中]ダウン 黄門様 徳川水戸 N+ 風 日本 18 1680 2260 印籠の力 時間が16 00~18 59だと相手のATK/DEF[大]ダウン 印籠 女子生徒 N 風 欧州 22 2090 2090 瞬間誘惑 時間が10 00~11 59だと相手のATK/DEF[大]ダウン 女生徒 女子生徒 N+ 風 欧州 22 2420 2420 瞬間誘惑 時間が10 00~11 59だと相手のATK/DEF[特大]ダウン モブ娘 カード名 レアリティ 属性 地域 コスト 攻 防 スキル名 スキル効果 称号 はじめてサヤ R 風 欧州 30 3500 3500 トリフレイム・ヴェント 相手の属性が火・風属性だと自身のATK/DEF[微小]アップ 先鋒 困ったサヤ R+ 風 欧州 30 4030 4030 トリフレイム・ヴェント 相手の属性が火・風属性だと自身のATK/DEF[小]アップ 困惑 矢文ですサヤ RR 風 欧州 30 5000 5000 トリフレイム・ヴェント 相手の属性が火・風属性だと自身のATK/DEF[中]アップ 矢文 笑顔サヤ RR+ 風 欧州 30 5750 5750 トリフレイム・ヴェント 相手の属性が火・風属性だと自身のATK/DEF[大]アップ 笑顔 エンゲージサヤ SR 風 欧州 30 6300 630 トリフレイム・ヴェント 相手の属性が火・風属性だと自身のATK/DEF[特大]アップ - エンゲージサヤ SR+ 風 欧州 - - - - - -